2001.7.1 ラブレボリューション外伝〜もしも須賀ちゃんが Part1
なーはるが以前から唱え続けていた「須賀はワルい男のままのほうがよかった」説。
今回は、そのオトシマエをつけておこうという企画である。
つまり「もしも須賀ちゃんが自己中でプライドの高い男のままだったらどうなっていたのか?」を、シミュレーションしてみよう、ってことだ。
ただし、これはかなり横暴な企画である。なぜなら、読者の皆さまの時計を、第7話の時点までぐいーっと巻き戻していただかなくてはならないからだ。さらに「須賀ちゃんは本気で怒ったままワシントンに行く」とか「矢吹君もストーカーに変身したりしない」といったことを、頭にたたきこんでもらわなくてはならないのである。終わっちゃったドラマなのに。
よって、ついて来たい人だけついて来てください(笑)。
「ラブレボリューション外伝〜もしも須賀ちゃんが」 by なーはる
_2001年春 東京 _
「恭子さんはワシントンに行かないかも」
真理子(米倉涼子)から、そう聞かされた須賀(藤木直人)はショックを受けた。恭子(江角マキコ)は何も言ってくれなかった。自分の知らないところで、自分と博士号をはかりにかけていたなんて・・。それは、プライドが高く、自分中心に生きてきた須賀には我慢できないことだった。
そして、婚約パーティの席上で、
「恭子さんとは結婚できません」
と言い放った須賀。
パーティ会場を飛び出した須賀が恭子をふりむいた時の、冷たく憎しみに満ちた目・・。その後恭子が「仕事はやめる」と言っても、どんなに須賀の心を取り戻そうとしても、無駄だった。須賀がワシントンへ発つ直前に恭子が携帯に吹き込んだメッセージにも、結局返事が来ることはなかった。
それから1年・・。
ひとくちに1年というが、ドラマでは平気で1週間で1年たってしまうが、現実社会はそうはいかない。
1年といえば、春は花見酒、蒸し暑い梅雨はアジア料理で酒盛り、夏はビヤホールでビール一気、秋になったら月見酒、忘年会は紹興酒で中華、年が明けたら鍋をつつきながらポン酒で新年会、などとやっているうちに、また花見酒の季節がめぐってくる、という具合なのである(え?それは誰の1年なのかって?えーっと・・)。
とにかく、めぐる季節の間、ずっと恭子のそばにいたのは、矢吹君(押尾学)だった。貧乏役者だった矢吹君は、その後売れっ子になっていったが、忙しい合間をぬって「恭子さん元気出して下さい」と彼女を励まし、デートに誘い・・。
どんなにお堅い恭子でも、そんな優しい矢吹君に、遅くとも月見酒の頃にはキスを許し、年が明けて鍋をつつく頃にはその先に行ったとしても、それは自然な流れである。激怒したまま3年もワシントンに行ったきりで、帰ってきたってどうなるかもわからない男を待ってなくても、誰がとがめられるだろうか。
_ ワシントン _
アメリカでの須賀は、相変わらず如才なくやっていた。
仕事もできりゃ、女もブロンドやブルネットがよりどりみどり・・と言いたいところだが、彼の名誉のために言っておくと、須賀はアメリカ女性は好みじゃなかったので手は出さなかった。彼のタイプは、黒髪のロングヘアなのだ。その原点は、中学校の時に成績争いをした学級委員の女子がたぶんそうだったのかもしれない。詳しいことはわからないが。
なので、ロングヘアではないが黒髪の女性が彼の近くにいたら、これまたつきあっちゃったとしても不思議はない。そう。須賀を追っかけてワシントンにやってきた片桐議員(西岡徳馬)のお嬢様で矢吹君の姉、亜紀子さん(戸田麻衣子)である。
「ピンポーン♪来ちゃった!」
以前は須賀と恭子のデートを邪魔したりした性悪お嬢さまだったが、今はアメリカで仕事をしながら生活する、ちょっとはいい女になった亜紀子。何くれとなく須賀の世話をやき、忙しい彼のハートをゲットした亜紀子。いや、もしかしたら須賀にとっては、恭子への当てつけの意味も多分にあったのかもしれないが。
しかし、当てつけだろうが何だろうが、亜紀子の父の片桐議員は、吉田秘書(山崎銀之丞)の収賄事件で引退同様になってしまった今、須賀が娘婿になって跡をついでくれるのではと喜んだ。そして片桐の希望はかなうかのようにみえた。そう、あの出来事が起こるまでは・・。
_ 2002年春 TVジャパンワシントン支局 _
それは、須賀がワシントンに来て8ヶ月ほどたった早春のことだった。
須賀の上司が転勤になり、替わりにやってきたのは、アメリカの大手放送局GNNから出向してきたアメリカ人の上司であった。元連邦保安官という異色のキャリアを持つ男で、執拗なまでに容疑者を追いつめるその手腕を買われて引き抜かれてきたのだ。
この上司、しつこくスクープを追うところは須賀とそっくりだが、部下を部下とも思わない人使いの荒さで、その口癖は、
「I don't care!(俺の知ったことか!)」
そんな上司と須賀はことごとく対立するハメに。
なぜなら、この上司は全米一自己中でプライドの高い男だったからだ。
皆さんはご存じないかもしれないが、この世で、自己中同士の争いほどすごいものはないのだ。よく犬猿の仲とか、天敵などというが、自己中同士のバトルに比べれば、犬と猿なんか仲良しこよし、ハブとマングースだってじゃれあってるも同然と言っていいくらいなのである。
上司の「人使い荒い攻撃」に対して、「ストライキ(仕事をすっぽかす)攻撃」で応戦した須賀だったが、そのたびに大ゲンカはエスカレート。ついに3度目のストライキの末、全米一と日本一の自己中対決は、全米側に軍配が上がった。
「Three strikes. You're out!(あんたクビね!)」
(Part2につづく)
2001.7.2 ラブレボリューション外伝〜もしも須賀ちゃんが Part2
_ 2002年春 恭子さんの家 _
真理子の持ってきたワインをあける恭子と真理子。ずっとケンカしていた二人だったが、最近仲直りしたのだ。
恭子 「え?真理ちゃん、今何て?」
真理子「だから昨日、惑星ケノンのバーで須賀ちゃんに会ったのよ」
恭子 「須賀さんに・・」
真理子「それが須賀さんベロベロに酔って。亜紀子さんと運転手にかかえられて帰っていって」
恭子 「亜紀子さんに・・」
真理子「で、TV局の友達に聞いたら、須賀さん、ひと月前にむこうの上司と大ゲンカして日本に戻されたんだって」
恭子 「・・」
真理子「クビはまぬがれたんだけど、資料室に左遷になっちゃったんだって」
恭子 「・・ねえ、どうしてドラマで左遷っていうと、たいてい資料室なのかしら?」
真理子「恭子さん、もう酔ってるの?まだ1杯目でしょう?はい、これおつまみね。カッペリーニの冷製キャビア添え。福ちゃんに習ったのよ」
恭子 「真理ちゃん、福ちゃんとどこまでいったの?」
真理子「やーだ、恭子さんったら。そっちこそ矢吹君と最後までいっちゃったくせに」
恭子 「・・」
真理子「それよりさ、須賀ちゃん相当荒れてるみたいよ。無精ひげ生やしてて、なんだかスーツもよれてて」
恭子 「無精ひげでスーツがよれよれな須賀さん・・・ステキ」
真理子「ねえ恭子さん、まじ酔ってるんじゃ・・・あっ!!ちょっと!やだーー!このボトルいつのまにあけちゃったのよー!ソムリエ教室に持っていくやつなのにぃ。あっうそっ!こっちのボトルも!!」
恭子 「ごめん真理ちゃん。あたし、須賀さんと別れてから時々すごい飲んじゃうの」
真理子「えっ」
恭子 「でも須賀さんはちがうと思う。あたしの知ってる須賀さんは、仕事ができてかっこよくてキザで、あたしのこと振りまわして・・。須賀さんはお酒に振りまわされるような人じゃないよ。真理ちゃんが見たのは別な人だよ・・ぐすん」
真理子「恭子さん・・」
_ とあるバー _
しかし、真理子が見たのは本物の須賀だった。
日本へ戻ってからというもの、彼の酒量は増える一方なのだ。
資料室勤務を命じられた須賀は、当然、別なテレビ局に転職を考えた。が、どのテレビ局もやり手の須賀をとりたいのはヤマヤマだったが、それ以上にGNNを敵に回したくなかったようで、どこもいい返事をよこさなかったのだ。
そしていよいよ資料室行きが決定的になると、彼の仕事ぶりを心よく思っていなかった社員からこんな声が聞こえてくるではないか。
(あの強引さじゃ、いつかああなると思ったよ)
(今までのツケが回ってきたんじゃないの)
そんなのを聞くのが面白くなくて、さっさと会社を切り上げて飲みに行くようになった須賀。
いつもやや横柄な口調で「バーボン、ロックで」と注文していた彼だったが、今はもっぱらアイリッシュウィスキーをあおる。バーボンはアメリカを思い出させてむかつくからだ。
しかし、最初は業界人の集まるなじみのバーで飲んでいたのだが、すると、そこでもこんなひそひそ声が聞こえてくるのだ。
(おい、あれTVジャパンの須賀じゃないか?)
(できるヤツがいったん落ちだすと早いよな)
それで場所をかえて、惑星ケノンのバーで飲んだりしていたが、そこもツケがたまっちゃったので、今日はまた別な場所で飲んだ須賀。したたか酔っぱらって店を出た須賀はふらふらと歩き出す。
こうなってみてわかったのは、彼には友達と呼べる人が一人もいないってことだ。今まで友達らしいことをしてくれたのは、過去に彼が寝た女たちだけ・・。
どれくらい歩いただろうか。ふと気がつくと、一匹の犬がこっちをじっと見ている。どこかで見た顔だと思ったら、片桐議員さんちのドンキーによく似てるじゃないか。こんな都会で放し飼いなんて。それともどこからか逃げてきたのだろうか。
「おい、ドンキー」
と声をかけると、犬は細い路地に入っていった。なんとなくあとを追ってみる須賀。
_ 路地裏 _
ドンキーに似た犬は、路地をあっちへ曲がり、こっちへ曲がり、進んでいく。と、犬は急に早足になった。あわてて追いかける須賀。すると、犬は立ち止まって振り返り、路地を右に曲がった。その様子はまるで「こっちにおいで」と言っているかのようで、久しぶりにちょっと笑う須賀。そして須賀も同じように路地を右に曲がり、そこではっと息をのんだ。
いきなり近くに東京タワーが見えたのだ。
細い路地の向こう。
暗いビルのシルエットにはさまれて、鮮やかに浮かび上がる東京タワー。
その瞬間、須賀の脳裏に、恭子と水族館でデートした日のことがよみがえった。あの時の輝いていた二人。自信満々だった過去の自分・・。
それに比べて、暗い地べたから過去の自分を見ている今の自分。好きな仕事を失うことがこんなにつらいことだったなんて・・。
と、その時、どこからかカターンという音とともに、こんな声が聞こえた。
「わたしの仕事は・・?」
誰の言葉だろう。ああ、そうだ、恭子さんだ。
ワシントン行きを決めてきた日。シーソーのある公園で恭子さんがつぶやいた言葉。カターンという音はあのシーソーの音だ。
あの時、恭子さんは悲しそうな顔をしていた。なのに「仕事?やめてもらうしかないよね。ごめん」と言い放った自分。「ごめん」とは言ったけど、ホントは悪いなんてこれっぽっちも思ってなかった。
それから恭子さんは、こんなことも言ったっけ「文京医科大の、いか、いか・・イカ釣り船で・・」。恭子さんの泣き出しそうな顔。彼女はきっと博士号のことを言うつもりだったにちがいない。「君の喜ぶ顔が見たくてワシントン行きを決めたんだよ」なんて言われて、言えなくなってしまったんだ・・。
思わず目を閉じる須賀。
そう。自己中に効くクスリはただひとつ。自分が同じ目に会うことなのだ。仕事を失ってみて、初めて恭子さんの気持ちがわかるようになった須賀。
彼はポケットから携帯を取り出すと、とっくに短縮ダイヤルから消去してしまった番号、けれどなぜか記憶の片隅に残っていた番号を押した。090・・・。そして、呼び出し音を2回聞くとピッと切った。
携帯を握りしめたまま、立ちつくす須賀・・。
(Part3につづく)
2001.7.4 ラブレボリューション外伝〜もしも須賀ちゃんが Part3
_ お好み焼き「莢(さや)」 _
店の外の看板を片づける吉田。と、そこへ足を止める一人の男。
「あいすいませんね。今日は早じまいなんですよ」
と言いながら吉田は顔を上げる。
須賀「やあ」
吉田「・・須賀くん!?」
口調は昔のままだが、無精ひげを生やしてやつれた様子の須賀に驚く吉田。
_ 店の中 _
吉田のすすめるビールを飲み干して、にっこり笑顔になる須賀。
この男、いけすかないヤツだと思ってたけど、なぜか人を惹きつける可愛げのようものがある。それに、やつれたせいか、以前はぷんぷん匂っていた傲慢さも消えたみたいだ・・などと考える吉田。
吉田「須賀くん、どうして日本にいるんだよ。ワシントン勤務じゃなかったの?」
須賀「左遷されちゃった」
吉田「えっ!?じゃあ亜紀子お嬢さんは?アメリカでつきあってたんだろ?」
須賀「あ、知ってたの?」
吉田「・・いや福田がそう言ってたから。福田は矢吹に聞いて・・」
須賀「あ〜なるほど。じゃあ話が早いや。吉田さん、僕のかわりに亜紀子さんとつきあってくれない?」
吉田「須賀!?・・お、お前、そんなこと言いにここに来たのか?」
須賀「うん」
吉田「ふざけるなっ!亜紀子お嬢さんの気持ちはどうなるんだ!」
須賀につかみかかる吉田。
吉田「やっぱりお前はいけすかないヤツだよ!お嬢さんとつきあうだけつきあって、飽きたら人に押しつけるのかよっ!しかもこんな俺に」
須賀「でも僕もこんなだし」
吉田「だ、だったらもっとちゃんとしろよ!」
須賀「あ、そのセリフ、よく恭子さんに言われた。『もっとちゃんとして』って」
吉田「須賀・・まさかまだ恭子先生のこと好きなのか?」
須賀「かも」
吉田「かも・・って。なら何で亜紀子お嬢さんとつきあったんだよ!」
須賀「だからこうして、かわりにつきあってくれないかって、言ってるんじゃない」
吉田「かわりになんかなれるかよ!俺は前科者で、今はしがないお好み焼き屋の店員なんだぞっ
」
店の親父「しがないお好み焼き屋で悪かったな」
吉田「あっ、お、親父さん、ち、違うんです。しがないってのは、お好み焼き屋じゃなくて、自分にかかる枕詞で・・」
親父「いいから食いな、スペシャル肉玉そば。俺のおごりだ。せっかく来てくれた友達とケンカすんじゃねえよ」
吉田「こ、こんなヤツ友達じゃないっすよ」
須賀「わ〜うまそう。いただきます」
幸せそうにお好み焼きをぱくつく須賀。あきれる吉田。
_ 文京医科大付属病院 _
車のドアをあける恭子。文京医科大での勤務を終えて、これから東山病院に向かうところ。急用ができた医師にかわって、当直に行くのだ。
通り過ぎる看護婦たちが、
「やっぱりあの人じゃない?」
などとひそひそ声でささやく。
恭子の携帯が鳴る。
恭子 「はい浅丘です。真理ちゃん?昨日はごめん、飲み過ぎちゃって」
真理子「恭子さん、週刊誌とテレビ見た?」
恭子 「え?」
_ 再び、お好み焼き「莢」 _
あれから1時間もたたないうちに、須賀と吉田はすっかり宴会モードに入っていた。おまけに店の親父まで加わっていた。
吉田「ははは。須賀、お前ってバカだよなー。今頃恭子先生のこと好きだって気づくなんて」
須賀「しょうがないでしょう」
親父「東京タワーを見て気がついた、ってのがドラマみてえで泣かせるじゃねーかよ。あはは」
吉田「でもその犬の話はウソくさいって」
須賀「いや、ホントにいたんだって」
親父「酔って幻覚でもみたんじゃないかい?」
全員「ははははは!」
親父「だけど、そういう吉田もバカだよ。ブタ箱食らうようなことやらかして」
須賀「吉田さん、ホントは収賄なんてやってないんじゃない?」
親父「お、別嬪のにいちゃんもそう思うかい?」
須賀「そう思ったから、亜紀子さんのこと頼みに来たんですよ」
吉田「いーえ、私の一存でやりました。金は遊興費に使いましたー。ひっく」
須賀「なんかマニュアルっぽいなあ。取り調べでずっとそう言ってたんじゃないの」
吉田「・・ちくしょう。だけど亜紀子お嬢さん、なんでこんな男と・・ぶつぶつ・・」
急に酔いが回ってきた吉田。
須賀「吉田さん、全部吐き出してごらん。僕が聞いてあげる。ラクになるよ」
吉田「・・須賀ぁ、お前が恭子先生を好きなのはわかった。けど、俺だって亜紀子お嬢さんの幸せのために身代わりになったんだ。お前がお嬢さんをふったら、俺が罪をかぶった意味がないじゃねえかよ」
須賀&親父「ビンゴ!」
吉田「でも、片桐先生がやったなんて、俺は今でも信じられないよ、清水さん・・・」
須賀「・・清水?・・清水秘書が吉田さんに言ったの?片桐先生がやったって」
吉田「・・ああ」
急に酔いが醒めたように立ち上がる須賀。
須賀「ごちそうさまでした」
親父「えっ、もう帰るのかい?」
須賀「ええ。じゃあね吉田さん、今度来るときはいいニュース持ってくるよ」
吉田「・・なにがニュースだ。資料室のくせに・・・」
_ 東山病院 当直室_
机の上の写真週刊誌を見ながら、ため息をつく恭子。
『人気俳優矢吹守、女医と熱愛発覚!』
電話が鳴る。
恭子「はい、東山病院」
矢吹「恭子さん、テレビの会見見てくれた?」
恭子「矢吹君・・ごめん、週刊誌は見たんだけど」
矢吹「そう。あのさ、今日は恭子さんにプロポーズしようと思って」
恭子「えっ、プロポーズ!?」
矢吹「こんな時にナンだけど。こんな時だから、ちゃんと気持ちを言っておこうと思って」
恭子「矢吹君・・・」
そこへ看護婦の千春。
千春「浅丘先生!患者さんの柏木さんが病室を抜け出して行方不明なんです!」
恭子「えっ、また?・・すぐ行くから手分けして探して!」
恭子「もしもし、矢吹君ごめん、また電話するから」
_ 片桐議員の事務所 _
「ええ、そうです。今送ったヤツがそれです。いや、収賄の証拠書類はとっくに破棄されてると思ったんですけど、一応探してみたら何点か出てきて。そしたら、もっと面白いやつも出てきたんで・・」
片桐議員のデスクの上に書類を並べて、電話を勝手に使う須賀。
「え?どうやって事務所にしのびこんだのかって?いやだなあ、人を泥棒みたいに言わないでくださいよ。さっき議員のお嬢さんに合い鍵を借りたんですよ。ちゃんと合法的にやってますから大丈夫です。え?そういう問題じゃない?お前は資料室の人間だろうって?はいはい、わかってます。次は警備室でも倉庫室でも回してください。あ、なんなら庶務二課でもかまいませんよ・・」
と、その時、突然部屋の電気が消えた。
_ 東山病院 _
消灯後の病院を、走り回る恭子。
「柏木さーん!」
懐中電灯の光が、暗い廊下を行き来する。
_ 片桐議員の事務所 _
突然部屋が暗くなり、振り向いた須賀を懐中電灯の光が照らした。
まぶしさに顔をそむけた途端、頭を殴られてうめく須賀。再び殴りかかろうとする男に、とっさに受話器を投げつける。
男はよけようとして懐中電灯を床に落とした。が、すぐに須賀を押さえつけようとする。背はあまり高くないが、ややがっちりした体つきの覆面の男。
必死で抵抗する須賀。
もつれあうようにして床に倒れる男と須賀。
次の瞬間、左胸に痛みを感じて、須賀は身動きができなくなった。あふれ出す血が須賀のスーツを赤く染める。
男は、議員のデスクの上にあった書類をカバンにしまうと、引き出しという引き出しを全部あけて中の書類をばらまき、棚の上の調度品類を床に落とし始めた。
受話器から聞こえる「もしもし、須賀?どうした?」という声。電話を切って部屋を出ていく男。
ころがった懐中電灯が、真っ赤な床を照らし出す。
ポケットから落ちた携帯に、必死に手をのばす須賀。携帯をたぐりよせると、震える指でリダイヤルボタンを押した。
「・・はい、浅丘です。ただいま電話に出られません。ご用の方は・・・」
(Part4=最終話につづく)
2001.7.8 ラブレボリューション外伝〜もしも須賀ちゃんが Part4
_ 東山病院 _
早朝。放心状態でテレビのニュースをながめる恭子。
「・・TVジャパン社員の須賀英一郎氏が、民政党の片桐議員の事務所で何者かに襲われ、東山病院に運ばれました。須賀氏が直前にTVジャパンに送ったFAXには、片桐議員の第一秘書清水氏の政党助成金流用、および昨年の収賄事件への清水秘書の関与を示唆する情報がのっていたもようで、現在重要参考人として・・・」
ニュースを見ながら、恭子は昨夜のことを思い出していた。
病室を抜け出した患者を探していた恭子。近づく救急車のサイレンの音。「急患です」と看護婦に告げられて、廊下を走った恭子。廊下の隅で泣く若い女性。その女性が「須賀」の名前を呼ぶのを背中で聞いた時、恭子の心臓は早鐘のように鳴った。手術室。1年ぶりに見た須賀さんの青白い顔。須賀さんの赤い血。須賀さんの・・・
「浅丘先生、お電話です」
はっと我にかえる恭子。
「・・はい浅丘です」
「恭子さん」
「矢吹君?」
「今ニュース見たんだけど。恭子さん、大丈夫?」
矢吹の声を聞いたとたん、張りつめていたものがゆるむ恭子。
涙がぽとっと落ちる。
「矢吹君、あたしが須賀さんの手術したの・・。須賀さん、傷が深くて。すごい出血で・・」
恭子は思った。なぜ自分をこっぴどくふって遠くへ行ってしまった人のために泣いているんだろう。矢吹君には関係ないのに、なんで甘えているんだろう。そう思いながらも、涙が止まらない恭子・・。
_ 病室 _
亜紀子「須賀さん」
須賀 「・・ここは?」
亜紀子「東山病院よ」
須賀 「・・左手が動かない」
亜紀子「左の肩から胸にかけて傷になってるから。しばらく動かせないってお医者さまが」
須賀 「・・そう」
亜紀子「でも、助かってよかった。倒れてる須賀さんを見たときはどうしようかと」
須賀 「亜紀子さんが見つけてくれたの?」
亜紀子「須賀さん、資料室の資料を忘れたから鍵を貸してほしい、なんて見え透いたウソつくから、ヘンだと思って後から行ったのよ」
須賀 「・・ありがと亜紀子さん」
亜紀子「さっきまでパパと吉田さんもいたんだけど。記者会見があるから帰ったの。須賀さんによろしくって」
須賀 「記者会見?」
亜紀子「清水秘書が逮捕されたのよ」
須賀 「・・やっぱり清水さんか」
亜紀子「昨日、清水はうちに詰めてたから、須賀さんに鍵を貸すのを見てたのかも。うちのドンキーがあの人だけにはなつかないから、前から胡散臭いと思ってたわ」
須賀 「亜紀子さん」
亜紀子「あ、ごめんなさい、ペラペラしゃべって。いまお医者様呼ぶわね」
須賀 「大事な話があるんだ」
_ 病院の廊下 _
須賀の病室へ向かう恭子。
看護婦が恭子を呼び止めて、二言三言話す。
_ 病室 _
恭子がドアを開けると、亜紀子が須賀にキスをしているところだった。
あわてて、目を伏せる恭子。
恭子の横をすりぬける亜紀子。挨拶もせずに病室を飛び出していった。
須賀「恭子さん」
恭子「コホン、お、お目覚めになりましたか?」
須賀「恭子さんが手術してくれたんだよね?」
恭子「ええ。気分はどうですか?痛みはありますか?」
須賀「ねえ、僕の体の中どうだった?」
恭子「え?ど、どうって言われても」
須賀「カワウソに似てた?」
恭子「ええっ?」
須賀「ほら、前に言ってたじゃない。人間の体内とカワウソの体内が似てるって」
恭子「す、須賀さんの解剖をしたわけじゃありません!」
須賀「自分の体の中なんてめったに見られないのにな。写真でも撮ってもらえばよかったな」
恭子「・・須賀さん、あなたってどうしてそうなの?泣いて損した」
須賀「泣いてくれたの?」
恭子「いいえ、泣いてませんっ。それよりもっと」
須賀「ちゃんとしろって?」
恭子「・・でないと亜紀子さんに嫌われますよ」
須賀「そしたら、恭子さんまたつきあってくれる?」
恭子「・・」
須賀「冗談だよ。矢吹君とつきあってるんでしょ」
_ 片桐邸 _
「・・このたび、第一秘書が多大なご迷惑をおかけしたことは、すべて私の不徳の致すところ。深くお詫び致します。これから片桐はこの吉田と二人三脚で国民の皆様のご信頼に応えられるよう精進する所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。また、今回の件についてご尽力いただいたTVジャパンの須賀英一郎氏の一日も早い回復をお祈り申し上げ・・・」
記者会見を終えた片桐と吉田。
遅れて入ってきた亜紀子。
泣きはらしたような赤い目。
吉田 「お嬢さん、どうかしましたか?
須賀君とケンカでもしましたか?」
亜紀子「・・吉田さん」
亜紀子の目から大粒の涙がこぼれる。
亜紀子の肩をそっと抱く吉田。
_ 再び、須賀の病室 _
恭子「・・あたしと矢吹君のこと、亜紀子さんに聞いたの?」
須賀「昨日、片桐さんのところで週刊誌も見たよ」
恭子「・・見たの」
須賀「矢吹君にプロポーズされたでしょ」
恭子「えっ、どうして知ってるの!?昨日の夜プロポーズされたばかりなのに」
須賀「恭子さん、カマかけられやすいところ、変わってないね」
恭子「・・須賀さんとだと真面目な話ができない」
須賀「ごめんね」
恭子「あと30分でTVジャパンの報道局長さんがお見えになるって。それ言いに来たのに」
須賀「えっそうなの。まずいなあ」
と言いながら、無精ひげに手をやる須賀。
「これ買ってきたんだけど」
と、袋から、ひげ剃り、シェービングフォーム、タオルなどを取り出す恭子。
「ありがと。助かったよ。うちの局長、身だしなみにうるさいから」
シェービングフォームの缶を手にとり、次の瞬間笑い出す須賀。
「片手が使えないって不便だねえ。フタも開けられないや」
缶のフタを取って須賀に手渡す恭子。でも、また二人で笑い出した。
須賀「フタが開いても、やっぱり両手が使えないとダメじゃない」
恭子「じゃあ私がつけてあげましょうか」
須賀「ねえ恭子さん、どうせならひげも剃ってくれない?」
恭子「えっ私が?」
須賀「外科医だから刃物の扱いは慣れてるでしょう?」
恭子「そうだけど」
須賀「ホント言うと、さっき右手を動かしても、傷が痛かったから」
恭子「・・わかった。じゃあやってあげます」
シェービングフォームを手にとって、そっと須賀の顔に塗る恭子。その瞬間、恭子は心の中で(あっ)と叫んだ。
そして、こんな出来事を思い出していた。
恭子が中学の時、小さなイトコの良枝ちゃんにせがまれて、人形をあげたことがあった。子供の頃からずっと大事にしていた人形を、可愛いがっていた良枝に喜んでプレゼントした恭子。だけどある日、良枝の部屋に飾ってある人形をふと手にとった恭子は、小さく声をあげた。自分の手が人形の感触を覚えていたのだ。大切にしてきた人形の肌や髪や洋服の感触を。それで、恭子は(ああこの人形は自分のものだったんだなあ)と思って、ちょっと感傷的になったのだった。
今触れている須賀の肌も、そして髪も唇も、かつては自分のものだった。その感触を覚えているのに、もう自分のものでなくなってしまったものに触れるのは、こんなにせつなく苦しいような気持ちがするものなのだろうか。今はお互いに恋人がいる二人。本当は触れることは許されないから、こんな気持ちになるのだろうか。
そんな恭子の気持ちも知らないみたいに、気持ちよさそうに目を閉じている須賀。
ひげを剃り終わって、綺麗にタオルでふきとる恭子。
少し面やつれしたが、恭子のよく知っている昔の姿の須賀がそこにいた。
須賀はゆっくりと目を開き、二人はたった今キスをし終えたばかりの恋人達のように見つめ合う。須賀の唇が何か言いたそうに動いた時、ノックの音がして、看護婦が入ってきた。
「TVジャパンの方がお見えです」
手早くひげ剃りなどを片づけ、入ってきたTV局の人達に会釈して病室を出る恭子。ドアを閉める時、まだ須賀がこちらを見ているような気がしたが、振り向かずに歩き出す。
ふと立ち止まる恭子。
さっきまで須賀の顔に触れていた自分の手を見つめる。
それから恭子はゆっくりと顔を上げ、病院の長い廊下をまた歩き出した・・。
(完)
2001.7.8 解説・ラブレボリューション外伝〜もしも須賀ちゃんが
いや〜「ラブレボ外伝」、長々と大変でしたね。書く方も読む方も(笑)。
長いついでに、外伝のポイントを3つほど書いておきましょう(こらこら)。
1.東京タワー回想シーン
本編では、ホテルの部屋から東京タワーを見て恭子さんを回想していた須賀さん。しかし、外伝では、須賀さんは地べたから東京タワーを見上げるのです。しかもボロボロ状態で。そのほうが過去の回想シーンがより鮮やかに映るってもんじゃないでしょうか。
おまけに、本編では、
なんのきっかけもなく→いきなり回想→だからどうした?
って感じでしたが、外伝では、
ボロボロ状態で→回想→過去の自分を後悔する→次の行動に出る
というように、きっかけが出来事を呼び、その出来事がまたきっかけとなって次の出来事につながっていくのです。こーゆーのがストーリーの正しい転がり方ちゅーもんじゃないでしょうか(自画自賛)。
2.須賀と吉田のシーン
本編では、↓こんな感じで吉田に収賄事件の身代わりのことを吐かせていました。
須賀「何を血迷ってあんなこと(=収賄)したの」
吉田「あれ(=身代わり)は片桐さんのためにやったことだ」
おいおい、片桐さんのためにだまって半年も刑に服していた男が、こんな風に高いところからモノを言う須賀に、あっさりゲロるのはおかしいじゃないか!
しかし、外伝は違います。
須賀は左遷されて無精ひげで冴えない上に、今頃ホントに好きな人に気がついた、みたいなバカをさらけ出しているのです。こういう人間くさいヤツこそ、吉田が心を開いて本音を吐く、説得力があるってもんじゃないでしょーか(自画自賛2)。
3.ひげ剃りシーン
本編では後半、須賀を超いい人にしちゃったばかりに、恋愛ドラマに不可欠な三角関係がまったくなしの、さっぱりドキドキしない恋愛ドラマになっちまいました。
でも外伝では、須賀をワルい性格(高プライドで自己中)のままにしたおかげで、「お互いに決まった相手がいるのに好き」という、いわゆるW三角関係に須賀と恭子をハメることができているのです。すばらしい(だから自分で言うなって)。
だって、やっぱ恋愛ドラマで一番ドキドキするのは、「触れてはいけない関係なのに触れる」というシーンだと思いませんか〜?
しかし、そのシーンがなぜよりによって「ひげ剃り」なのかい?(笑)「いくら須賀ちゃんでも、男のひげを剃るのなんかいやーん」という声が聞こえてくる気もします。
でも、恋人同士じゃない男と女が合法的に触れる状態(すごい言い回しだね)ってのは、実はそんなに多くない。例をあげると、握手、おつりを渡す、自転車やバイクの二人乗り、マッサージ、美容院、手相を見る、ダンス、医療行為、スポーツの指導、出会い頭にぶつかる、転びそうになるのをとっさに支える、飛び込み自殺を止める・・
ね?意外と少ないでしょ?
で、ひげを剃ってあげるってのは、上のどれよりもきわどいような気がして。しかも今まで見たことがないので、是非やってみたかったの。ほほ。綺麗なシーンばっかのドラマは印象に残らないじゃない。ちょっとアレかもしれないけど、もしかしたらドキドキするかも・・そんなシーンがあってもいいじゃないすか(自己弁護)。
それと、恭子さんがひげを剃ってあげたら現れるパリっとした姿の須賀さん、ってトコもポイントよ。本編は「男が仕事をやめる=レボリューション」だったけど、外伝は「男が生まれ変わる=レボリューション」ってことでひとつ(こじつけ)。
※なお、まだ恭子と須賀が結ばれてないのに「完」ってのはヘンじゃないか、「つづく」の間違いだろう、という意見もあるでしょうが。この先は各自ご想像ください。エンディングまでの可能性は無限大。ストーリーを考えるのは楽しゅうおまっせ〜(さてはこの先何も考えてないな)。
2001.7.5 2001年春ドラマ各賞発表
ドラマってのは不思議なもので、毎クール何かしら「流行」のようなものがあったりする。2001年春クールの流行りといえば「キャラクターの変貌」であった。
ワルい男から一転「実は素直になれなかっただけでして」という言い訳とともに、妙にいい人になっちゃった須賀さん(藤木直人/ラブレボリューション)。無愛想だったのは最初だけで、いつのまにかペラペラしゃべって人の家にあがりこむヘンな作家になった永瀬康(トヨエツ/ラブストーリー)。夫が夜中にバイクをとばしてたというだけで、憑き物が落ちて毒が抜けちゃったマリ(富田靖子/昔の男)。
このうち永瀬康はどうでもいいとして、残りの二人は実にもったいない。特に須賀さんの変貌はかえすがえすも口惜しいったらありゃしない。
どうか脚本家およびスタッフの方々にはくれぐれもお願いしたい。キャラを変えるときは、それなりのきっかけや、納得のいく理由を提示してください。でないと、あたしゃ書きますよ。糾弾しますよ。なーはるが、「外伝〜もしも・・」などと称して、本編と別ストーリーを書いたら、それはたぶんケンカ売ってるってことですよ(笑)。よーく反省するように。
というわけで、恒例の?一句を。
「春すぎて 夏きたるらし あなたはだあれ?」
(春クールが終わりに近づいて夏が来る頃には、誰だか見分けがつかなくなるほどキャラが変わっていた、という意)
ドラマフリーク・アカデミー賞
2001年春ドラマ受賞一覧
| 最優秀作品賞 ラブレボリューション |
| 賞をあげるかどうかうんと迷ったのですが。須賀ちゃんというたぐいまれなキャラクターと、音楽の良さと、ツッコミ甲斐があって楽しませてくれたことが、後半の脚本の不出来をカバーした、ってことで。 |
| 最優秀主演女優賞 江角マキコ ラブレボリューション |
| まさか、江角にこの賞をあげる日が来るとは思いませんでした〜。恭子さんははまり役で、でかい江角がかわいく見えた。見直しました。 |
| 最優秀主演男優賞 該当なし |
| 残念ながら。 |
| 最優秀助演女優賞 富田靖子 昔の男 |
| 富田の演技力は誰も文句のないところでしょう。まじでいっちゃってて怖かったよ。回りの女優・俳優がバカみたいに思えた。 |
| 最優秀助演男優賞 藤木直人 ラブレボリューション
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| こんなにキスの上手い俳優さんは初めて見ました。目の保養をありがとう(笑)。はっきり言って「ラブレボ」は藤木のおかげ。よっぽど主演男優賞をさしあげようかと思いましたが、今後のさらなるご活躍をお祈りして、こちらに。 |
| 最優秀脇役賞 林美智子 昔の男 |
| いまだに「うえへへ〜」という笑い声が耳をはなれません。汚れ役を完璧にこなす。まさに女優魂。自分を捨てきれない昨今の女優は見習ってほしい。 |
| 最優秀脚本賞 該当なし 次点 藤本有紀、
内館牧子
|
「ラブレボ」藤本有紀は、後半キャラを変貌させてしまったため失速。残念。
「昔の男」内館牧子も、最終回をいい加減にハッピーエンドにしたため暴落。もったいない。
|
さて、お待たせしましたー!今クールから、読者投票によって選ばれることになった「ゴールデン・ストロベリー・オンザ・ショートケーキ賞」(最悪作品賞)です。
はえある第2回の受賞は「ラブストーリー」。最悪主演女優賞、最悪脚本賞とあわせて、主要3部門を独占して三冠王に輝きました(その他の部門もあわせると6冠)。おめでとう。
なお、この3部門は得票数でもダントツぶっちぎりでした。さすがです。
みなさまにはたくさんのコメントをいただきまして、ありがとうございました。相当言いたいことがたまっていたことがよくわかりました。全部ご紹介できないのが残念です。
なお、僅差で破れたモノについては、「次点」としてご紹介しました。また、今回は「特別賞」として、なーはるの独断で「最悪主題歌賞」と「最悪P賞」を決定しました(コメントはみなさまのコメントの中から引用させていただきました)。
それでは、ごゆっくりお楽しみください(笑)。
ゴールデン・ストロベリー・オンザ・ショートケーキ賞
2001年春ドラマ受賞一覧
| 最悪作品賞 ラブストーリー |
|
▲何が悪いって、見ててもなぁ〜んにも感じなかった…っていうか、感じさせることができなかったんじゃないか?
▲世の中の真面目に働いている女性達を敵に回したTBS史上記録に残るダメダメ作品。
▲もうどーしようもないっす(涙)。
▲どう考えても第一話と最後の30分だけでカタがつくような話を3ヶ月にわたって引っ張り、視聴者の貴重な日曜の夜を無駄にした。
▲美咲がとことんうぜぇ。こんなに不愉快なドラマ見たことねぇ。
▲ちぐはぐなドラマだったなーというのが、唯一残った印象。
▲なにがどう「とっておきのラブストーリー」なのか最後までわからず。
▲ラブストーリーと銘打っておいて、この出来はないでしょう?
▲私の大好きな中山美穂にあんな役をさせるなんて許せません。すっかりミポリンの評判がひどくなってしまって、涙、涙です。私はミポリンみたさに眠いのと戦って最後まで見ました。まるで禅僧の気分でした。
|
| 最悪主演女優賞 中山美穂 ラブストーリー |
▲演技、あんまりうまくなかったんですね、彼女。
▲タメ口ききすぎ&ズボンから下着の線が透けすぎていたため。
▲どのドラマでも、自分を捨て切れず、ことコメディになるとさらに拍車をかけて。「かぎっ」だかなんか知らんが、「きゃぴ」に聞こえてしまい、悩んでいたのがその時点で決定。
▲あの取り澄ました表情とネッチョリした喋り方が、どーにもこーにも耐えられなかった
。
▲今回の脚本のマズさを−50差し引いたって、ミポリンの大根ぶりが暴露されました。
▲あのどたどた歩きが嫌です。若い頃からアイドルでそこそこ売れたせいか、ウォーキングや演技のレッスンをさぼってたのがよーくわかります。オスカーに移籍して歩き方勉強して欲しいです。
▲キレイなだけの美咲さん…じゃなくてミポリンが、ドラマで主役を張れる時代はもう過ぎた、って事かな。これまで、作品に恵まれて何とか食いつないで来たけど、女優としても、すでにいっぱいいっぱい。
▲役柄にもかかわらず「私はホントにきれいなのよ」という気取りが目につき過ぎてウザイ。ブスに見せるシーンはもっとブサイクに見せなきゃダメでしょ。
▲セリフ回しも「表情力」もダメダメだし、マスコミが騒ぐほど人気もそんなに感じないし、そろそろ実力に見合った売り方を自覚してほしいな。 |
| 最悪主演男優賞 長瀬智也 ムコ殿 |
▲主人公が、単に胡散臭いヤツにしか見えなかったから。すき焼きを手づかみで食べたのもまずかった。
▲今期、どうしても駄目だったキャラです。
長瀬本人はどっちかって言うと、好きな方なんですが、この桜庭裕一郎は、何をしても何を喋ってもいい人に見えなかった。白々しいっていうか、あの長瀬の喋り方がどうも受け付けられなかったです。 |
| 最悪助演女優賞 米倉涼子 ラブレボリューション
|
▲TVを消す、までは至らないのですが、積極的に見たいと思える人ではなかったです。江角さんの可愛さを引き立てるには良い配役だったとは思いますが。
▲いくらネアンデルタール系のマキコ顔したって、ドラマで一緒のマキコを越えようだなんて10年早いよ。
▲見れば見るほど着る服がどうもダサイとおもう。清潔感ゼロ、演技力ゼロ、顔はおばはん顔やし、どうもはつらつさがない。 |
| 最悪助演女優賞 次点 真中瞳 新・お水の花道
|
▲どうみてもナンバーワンの風格なし。ガラガラ声。へんな受け口。気品がない。
▲ハナにつくお高い笑い方、しかもダイコン。ゴスペラーズの人も聞いてぶっとぶ低い声。これで映画主演しちゃ〜いけないわっと。 |
| 最悪助演男優賞 香取慎吾 ラブストーリー
|
▲何やっても同じような投げやりな演技は見飽きた。変なエリマキを巻いていたのもまずかった。
▲「お前に何が解る」と思わせる何かがあり、ことごとく説得力に欠けていた。割と好きなタレントだったが、「素マップやってろ」と思った。
▲エツリコ氏の「慎吾君の地に近いキャラクター」というのをみて見る目かわってしまった。地に近いキャラクターであれってどうよ?
|
| 最悪助演男優賞
次点 押尾学 ラブレボリューション |
▲舞台俳優ならもっとはっきり台詞を言ってくれ。
▲ドラマの途中、変な風に変わってしまって、その印象がどうも本人とダブってしまい、最終回ではいい奴だったんだけど、
電話でのストーカー声が忘れられない・・・という事で。
▲この人が、表情に乏しい顔で、感情のこもらない台詞を喋ると、我慢し切れずにTVを消してしまいました。
|
| 最悪脚本賞 北川悦吏子 ラブストーリー |
▲視聴者に我慢をしいるストーリー。非常に苦痛でした。
▲北川えりこは、もう「ロンバケ」以上の物は書けないんだろうなって実感。
▲誰かの言葉を心に彫刻刀で刻んだり、心の日記帳に書き込んだり、いやーホント大変っすね。
っていうか、大丈夫ですか?エツリコ様。自分が何を書いているのかわかってますか???
▲寒い台詞の連続とありきたりな展開。加えて相変わらずのヒロインのジコチューな都合の良い性格に、
北川えりこを重ねてしまい、全くハマレなかった。
▲話の芯がしっかりしていないのに、小手先の道具に走りすぎるのが、あわれ。
▲北川江吏子巨匠。今回はダメでした。
▲ロンバケでは、山口智子に高島田なのに足もあらわに走らせるという芸当をやらせて、さすがツカミの名人と大向こうをうならせた悦吏子女史も、今回はずーっと地に足がつかないセリフが多く、少し空回りした印象でした。
しかたなく、最終回トヨエツに羽田まで走らせてましたが、サンダルじゃパンチ小さかったですね。
▲「ドラえもん」を言いたくて無理矢理「のび太」を持ってきたらしいが、無理ヤリすぎてドラマニアにはちょっと小さぶかった。
▲美人のミポリンに「私って結構綺麗だし」を連呼させ、周りが「美咲さんは綺麗だから」という言葉を当然の様に受止める主人公には全然同情できませんでした。「否定せんかい!」と何度思ったか。
▲描きたいシーンとか台詞にもっていくためにキャラクター変化しすぎ!
▲単にジコチューなだけの主人公が、勝手気ままにやりたい放題やってたら、白馬に乗った王子様が迎えにきたから。ふざけんな!!
▲期待が大きかった分、余計に腹が立った。
▲先生の本はこんなのじゃなかったはず。大好きだったのに。ロンバケとかさ。もう高いギャラの俳優陣を使わずもっと素朴なラブストーリーを。でね、やっぱ視聴者の声も重要よん。
|
| 最悪カップル賞 須藤美咲&永瀬康
(中山美穂&豊川悦史)
ラブストーリー |
▲トヨエツになんちゅーことしてくれたのか!!
▲たまに会うだけでもうるさいのに、あんな女が家にいたらストレスで円形脱毛症になりそう。 |
| 特別賞
最悪主題歌賞 いしだ壱成 Pure Soul
|
▲これはいらないでしょう!!清貴の歌だけでよかったのに。
▲せっかく感動のエンディングを迎えても、毎回あの脱力した声を聴いて興ざめしてしまうのでした。ストーリーと合ってないじゃん。
▲こんな下手な歌、売り込みがあっても使うなよ。ていうか、売り込むなっ! |
| 特別賞
最悪P賞 植田P ラブストーリー |
▲公式HPで植田Pが、「このドラマを見るにはセンスがいる」などとふざけた事を言っており、このプロデューサーと脚本家なら、こんなドラマになっても当然だと思いました。
▲その一言が命取りになったな。
▲わたしはどーせ今どきの素人ですから「そうきたか」と言わせてもらいます。そこまでなめられたらこっちもこうきますぜ。ぷんぷん。A級戦犯め。 |
いや〜、すごいっすね、みなさまの毒舌ぶり。
夏クールもはりきってまいりましょう(笑)。
2001.7.10 2001年夏ドラマPart1
◆世界で一番熱い夏
面白かった〜!
出だしの空撮といい、ロケを多用してるところといい、照明や光の使い方といい、出来のよい映画を見てるようだった。ハリソン・フォードの「逃亡者」を彷彿とさせる、って言えばわかりやすいかしらん。
ドラマを見ててもすぐよそ見してしまうなーだんさんも「次はいつやるんだ?」とかなりお気に召した様子。この落ち着きのない男をつかめれば、つかみはオッケーって感じですか。
なので、つっこみどころといっても「遺体のDNA鑑定しなくていいのか」くらいしかないのだが。
もうひとつ挙げるとすると、岸谷の目元。以前と違いませんかね?「神様のいたずら」あたりから気になってるんだけど、なんだか目バリっぽくないすか?眉毛もこざっぱり整えられてねーか?
なんつーか「湯上がりの歌舞伎役者」みたいな。
岸谷といえば、「ブ男だけど演技上手いよな〜」というのが万人の一致した評価だと思うけど。本人、案外しゃれ者とみた。
あ、そーだ。もうひとつ。
産後のダイエットに失敗したまんまの和久井映見。いくらなんでも、指輪がちぎれるくらい太っちゃまずいだろう。
◆非婚家族
真田広之扮する「自分のことしか考えてない」サラリーマン。
女房には愛想つかされて逃げられ。別れた女房にはバカにされ。
意外とこういうなさけない役が似合う真田広之。やっぱ俳優は、芸風が広いにこしたことはないやね。
ところで、私は今まで「自分のことしか考えてない」のと「自己中」は同義語だと思っていたのだが。どうやら全然違うらしいってことがわかった。
なにしろ、前クールの「ラブレボリューション」の須賀ちゃん(藤木直人)以来、「自己中」な男について深く考えてきた私。今回真田を見ていて、「自己中」より「自分のことしか考えない」男のほうが救いようがない気がしたわ。
じゃあ、「自分のことしか考えてない」と「自己中」はどこがどう違うのかっていうと。それは、ただいま考え中(笑)。
◆恋がしたい恋がしたい恋がしたい
渡部篤郎を見ていると、いろんなことをやってあげたくなる。
まず、渡部の「首」。
もういい大人なのに、首が座ってなくていつもユラユラしてる。あれ見てると、むち打ち症のギプスをはめてあげたくなる。
それから、渡部の「セリフ回し」。
興奮すると「どどどどどーして」とか「あああああのさ」とか、×××(出版禁止用語)っぽくないすか?あれ聞いていると、「普通にしゃべらんかーい!」とハリセン一発かましてあげたくなる。
あと、渡部の「足」。
細くて長いんだけど、くにゃくにゃしてないすか?なんか見ているうちに、両足をつかんで、くいくいっとねじりたくなるのよ、ねじりんぼうみたいに。んで、足元をつかんだまま、上半身をピンとはじくと、くるくるぴゅーっっ!とねじれが元に戻る、みたいな。ほら、よくアメリカの漫画に出てくるような表現っすよ。あれを無性にやりたくなるのよねえ。
2001.7.15 2001年夏ドラマPart2
◆できちゃった結婚
最初にことわっておくが、私はヒロスエを嫌いではない。
ヒロスエのようにショートカットでボーイッシュな女の子というのは、いつの世もニーズがあるのであり、彼女が出てきた時その分野は席がぽっかり空いていたのだから、砂に水がしみこむように売れても当然だと思った。
また、ヒロスエの特徴であるバクのような鼻も、アイドルの系譜をひもとけば、伊藤麻衣子に代表されるもったりした鼻の持ち主は常に需要があるわけだから、これまた売れても当たり前だとうなずいた。
だから、ヒロスエがさる高名な哲学者との対談で、自分がいかに売れっ子かという話を、おぼえたての哲学用語とへんな図解入りで、アカデミックぶりっこして訴えた時も、若い時は誰だって自意識過剰なのだから、彼女が大人になってからビデオを見直して赤面すればよいことだと思って流したし。
「Summer Snow」の時だって、前髪をだらんとさせて病気を表現しようとする演技はいかがなものかと書いたものの、のど元過ぎれば寒さ忘れる、という感じで、ドラマが終わったら何とも思わなくなった。
というようなわけで、ヒロスエのことは嫌いでもなんでもない私(あれ?そこのあなた、私の言うことを信じないのは何故ですかい?)。
だけど、私には、どうしても気になることがひとつあった。
それは、「目を細めてアゴを上げて口を半開きにして尖らせる」というヒロスエ独特の表情だ。いつの頃からかわからないが、アレを見ると、なんとなく正視できないような、ムズムズッと落ち着かない気分になってしまうのだ。
聞くところによると、ヒロスエは「目を細めるトコがかわいい」と誉められてきたそうで。
それじゃあってんで意識的にやってるうちに、クセになったのか。さらにリュック・ベッソンに「リョーコ、その表情がサイコーだぜ」とか言われて、ますますその気になったのか。どうかは定かではないが。
とにかくヒロスエがその表情をする回数というか時間は、見るたびに増えていくようで、おかげで私が落ち着かなくなる頻度も高くなるいっぽうなのである。
しかし、なぜそんなにムズムズ落ち着かない気分になるのか?
その理由がずっと謎だったのだけど。
「できちゃった結婚」のヒロスエのガラガラ声を聞いて、「風邪かしら?」と思った瞬間に謎が解けちゃった〜!
ヒロスエの「目を細めて眉毛を上げてアゴをつき出して鼻の穴をふくらませて口を半開きにして尖らせる」(さっきより増えてねーか?)表情って、
くしゃみ寸前の顔
ではありませんかっ?
というわけで、これを読んだみなさんは、一度チェックしてみてください。
ヒロスエがこっちを向いて「目を細めてアゴを上げて・・」という表情をしたときに、急に落ち着かなくなって、ジリジリと後ずさりする、もしくは、顔をそむける、もしくは、顔の前に手をかざす、もしくは、テレビの正面の席から斜めの席に移動する、などという行動を無意識のうちにしている自分がいませんか?
もし思い当たる人がいたら、それは、ヒロスエがこっちに向かって、
へ、へ、ヘークショイ!
などとやらかして、鼻水やツバが飛んできたりするんじゃないか、ということを危惧をしての行動なのに違いありません。
さらに、ヒロスエが横を向いて、その表情をしたときに、思わずティッシュの箱をテレビに向かって差し出してしまった、あるいは、なぜかコンタックと水の入ったコップを用意してしまった、あるいは、「かあさんや、マスクはどこだったっけね?」などと意味不明なことをつぶやいてしまった、みたいな行動をあなたがとっていたとしたら、それはもうカンペキです(何が?)。
そうそう、ついでに、もうひとつチェックしてほしいことが。
ヒロスエが怒鳴っている時のガラガラ声を、目をつぶって聞いてみて下さい。
すると、そこに某お笑いアイドルがいたりしませんか?
その人の名は・・・篠原ともえ。
2001.7.19 2001年夏ドラマPart3
◆生きるための情熱としての殺人
いわゆる復讐劇である。
社長(鈴木一真)に恨みを持つOL2人(とよた真帆、高岡早紀)とヤクザに借金のある女(横山めぐみ)が、社長の死んだ妹に生き写しの女(釈由美子)を利用して、社長を亡き者にし財産を手に入れようとする・・・
などと書くと、このドラマを見てない人は「サスペンスフルで面白そう〜」と思うかもしれないが。殺人計画ったって、釈由美子があのニカッという笑顔で「どうせなら殺して財産いただいちゃおうよ〜」みたいなノリのB級ドラマなのだ。
ところで釈由美子。
目の離れ具合といい、あっけらかんとした笑顔といい、なんかケロヨン(某製薬会社のキャラクターのカエル)に似てないか?
と思ったら、社長は愛人とエッチする場面で、カエルのゲ×のような緑色の謎の液体を愛人の背中に塗るじゃありませんか。亡き妹にも同じ液体を塗ってあげたのを回想しながら。
おまけに、釈由美子は社長の婚約者(立河宣子)となぜかプールで平泳ぎで競争したりするじゃないすか。しかもプールからあがった立河はこう言った「この食用ガエルを追い出してちょーだい」。
う〜む。
やはり「釈由美子=カエル」説が、今後の復讐劇のカギを握るとみた(ないない)。
◆氷点2001
これまた復讐劇である。
妻(浅野ゆう子)が若い医師(吉田栄作)と浮気中に、愛娘を殺された病院院長(三浦友和)は、犯人の娘(末永遙)を養女として引き取り、妻に育てさせる。「かわいがっている養女が犯人の子だと知ったときの妻の顔を見たかった・・」
などと書くと、このドラマを見てない人は「シリアスで面白そう〜」と思うかもしれないが。このドラマは、そんなストーリーがどうこういうレベルではなかった。
なにがって、そりゃあもちろん往年のトレンディ女優&俳優、浅野ゆう子と吉田栄作コンビである。彼らの姿を見た時は、過ぎ去った栄光の日々をしみじみと思い出し目頭が熱くなりかけた。のだが、実はそういうレベルの話でもなかった。
それは2人のダンスシーンである。
ウン年ぶりに現れた栄作は、「あなたは今でも変わらず美しい」みたいな歯の浮くようなセリフでゆう子を口説きながら踊るのだが。2人のダンスのきっちりぶりったら、そのまま引っ越し業者のCMに使えそう。そんなきっちりダンスに、2人の老けっぷりと、まだまだ現役よというギラギラ感が相まって、どうにもこうにも・・
笑えました〜(爆)。
次回は、ゆう子が娘をいじめにかかるそうで。まーた見ちゃうかも。
◆救命病棟24時
第2弾だそうで。
きっと、前作が人気があったのだろう(また見てないドラマがひとつバレた)。つうことは、「わ〜、あの進藤先生が戻ってきた〜」という感じで視聴者は見てるのだろう。
しかし、このドラマを見るにあたって私には重大な問題があった。それは・・
江口洋介ってカッコいいか?
ってことである。
そう、私には江口洋介がちっともかっこいいと思えないのだ。
それは、たまたま美容院の週刊誌で、肥満児だった頃の彼の写真を見てしまったせいなのか。それとも、タイへ旅行したときに、その頃タイで人気だった「ひとつ屋根の下」のせいで、バンコクの街中に江口もどき(もちろんタイ人の)があふれてるのを見たのがいけなかったのか。
いや、やはり「東京ラブストーリー」で初めて彼を見た時から、かっこいいと思えなかったのだ。「東ラブ」の江口の印象は・・
ロン毛のモアイ
というものであった。
左右の目にパンチをくらわしたら、おでこが隆起しちゃいました〜、みたいな。
そういうわけだから、どんなに進藤先生がかっこよく治療しても、「ふ〜ん」ってな感じで感動できないのである。悲しいことに・・。
2001.7.22 ラブレボリューション外伝〜須賀家の人々(前編)
たいへん長らくお待たせいたしました〜。
皆様から多数ご要望をいただきました「ラブレボリューション外伝〜須賀家の人々」をいよいよ掲載いたします(ていうほどのモンでもないが)。
最初にお断りしておきますと、このストーリーは「須賀家の人々は仲がよい」という前提のもとに書かれています。
もし最近ここにいらした方で、「須賀さんちは例の家庭の事情によって家庭崩壊してるんじゃ?」と思っている方は、先に、6月24日の日記(ラブレボ最終回予想Ver.7〜これがホントの最終版Part2)
をお読み下さい。この中に出てくる「須賀ママ=キャリアウーマン説」のくだりをお読みいただければ、須賀家の人々が仲がよいってことが納得できるはずです。
読みましたか?
では、ごゆっくりお楽しみください。
「ラブレボリューション外伝〜須賀家の人々」 by なーはる
_2002年7月 _
「サン・ルイ島」のさくらんぼのクラフティ、それとも「銀座和光」のケイク・オ・ヴォワヤージュ。いいえ年輩の方には和菓子のほうがいいかしら。ああ秋だったら「栗粉餅本家新杵堂」の栗きんとんが手に入ったのに。とりあえず「新潟味のれん本舗」の豆もちは押さえたけど。やっぱり某作家もお気に入りという「紀の善」の抹茶ババロアも買っていこうかしら・・。
あらっいけない、皆様はじめまして。わたくし浅丘恭子と申します。
本来ならば「ラブレボ外伝〜須賀家の人々」は、「ドラマフリーク」のなーはるさんが語るはずなんですけど。なにしろなーはるさん、この春「ラブレボ」のレビューに力を注ぎすぎて、すっかりお疲れモードでして。そんなわけで、今回はわたくし恭子が語りを担当させていただくことになりましたの。どうぞよろしくネ。
そう、今わたしが悩んでいるのは、明日何を持っていくかということなのです。え?どこに行くのかって?決まってるじゃありませんか。須賀さんちですよっ!
須賀さんったら、あの調子で「なーんにも持ってこなくていいよ」なんて言うんだけど、そんなわけにいかないじゃないですかねえ。で、アレもコレも買い込んで迷ってるってわけなのよ。あ、そういえばこの前は、須賀さんがうちの実家に来たんだけど、「何もいらない」って言ったら、本当に何も持ってこなかったのヨ。ホントにあの人って・・。
えっなに?その話も聞きたい?
しょおがないわねえ。じゃあ、ちょっとだけ。
あれは先月のこと。
さっきも言ったとおり、堂々と手ぶらでうちの実家にやって来た須賀さん。母が玄関をあけるなり、とびっきりの笑顔で「はじめましてお母さん」などと、なれなれしく・・いえ、フレンドリーに挨拶しちゃって。家に着いて5秒もたたないうちに、うちの母の心をゲットしようだなんて。でも、わたしは見逃さなかったワ。母の目がハート型になったのを!
皆さんには言ってなかったかもしれないけど、うちの母は昔っからすごい面食いなの。え?それがわたしに遺伝したんじゃないかって?ふん、よけいなお世話よ。
とにかく、母ったら須賀さんを見たとたん「あ、恭子、悪いけどお茶入れてね」などと言いつけて、さっさと須賀さんをリビングに連れ込んで、いえ、案内してしまって。ほんとにもう〜〜。
で、しかたなくお茶を入れてるうちに思い出したんだけど、うちの母は面食いなだけじゃなく、すごいミーハーでもあったのヨ。どういう風にって、なにしろドラマ好きでどうしようもないの。しょっちゅう「このドラマを見ろ。あれは見たか?」と電話してきてうるさいったら。
そういえば、まだ須賀さんと知り合う前のこと・・
母 「ちょっと恭子、『ナースのお仕事3』見た?」
恭子「お母さん、あたしは当直で忙しいの。ドラマを見てるヒマなんかないのよっ」
母 「何言ってんの。あなたドクターなんだから、医療ドラマくらい見なくちゃ」
恭子「そのドラマなら1回見たけど、あの病院は医療凡ミスが多すぎるわよ!」
母 「だってドラマなんだから、しょうがないじゃない」
恭子「その、ドラマだからっていういい加減さがイヤなのよっ」
母 「それより、高杉先生見た?ステキでしょう?」
恭子「高杉?あーあのやたらさわやかな人ね。あたしのタイプじゃないわ」
母 「あーら、高杉先生はさわやかなだけじゃないわよ。この前なんか、観月ありさちゃんを置いてアメリカへ行くって言い出したのよ」
恭子「何それ。女を置いてアメリカへ行く人なんて絶対イヤ!」
・・なんていう会話をしたこともあったっけ。
まさか自分が「女を置いてアメリカへ行く人」と結婚することになるなんて、思ってもみなかったワ。人生ってわからないものネ。
とか思いながら、お茶菓子をリビングへ運ぶと、そこには、ソファに仲良く並んで座って、「お母さん」「英一郎さん」などと呼び合っている二人がいるではありませんか!わたしだってまだ「須賀さん」って呼んでるのにぃ。お母さんったら、ホントにもう〜〜!
しかも、テーブルにお茶を置こうとしたら、なぜか地図が広げられているではないですか。これはいったい?
母 「あ、恭子、明日みんなで温泉に行くことになったのよ」
お、温泉!?
須賀「伊豆の松崎にいい温泉があるんだよ」
母 「今ならホタルも見られるんですって。お父さんも誘って行きましょうよ」
須賀「沼津の漁港の近くに、いい寿司屋がたくさんあるから、お昼はそこでどうですか?」
母 「まあ、いいわねえ」
須賀「桜海老とか、駿河湾のネタがおいしいんですよ」
母 「あら、楽しみ」
などと、どんどん話がすすんでいくではないか。家に着いて5分もたたないうちに、温泉に行く話をまとめる須賀さんっていったい・・。
須賀「あ、でも浜松だと駿河湾のネタなんてめずらしくないかなあ」
母 「そんなことないわ。今日は良枝ちゃんちでウナギだから、明日はお寿司にしましょ」
須賀「じゃあデザートは、フルーツがおいしくて眺めのいいレストランにご案内しますよ」
母 「まあ、英一郎さんは何でもよくご存じなのね。ねえ恭子?」
すると、須賀さんがわたしを見てニッコリしながら言った。
「前に取材のついでに行ったんだよ」
はっ!いけない!
わたしってば、須賀さんがどこそこへ行ったという話をする時、かならず「どの女と行ったのよぉ」という顔をしてるらしいのだ。ああ、またやっちゃったみたい!
でも、結局ほんとに須賀さんと家族で温泉に行っちゃって。楽しかったなあ。
昔の豪族のお屋敷を改修したステキな旅館で。近くの川にホタルを見に行ったり。緑がたっぷりあしらってある檜風呂でのびのびしたり。もとは土蔵だったバーで飲んで、小さな古いオルガンを須賀さんが弾いて、みんなで歌も歌ったっけ。須賀さん、楽器が弾けるなんて、惚れなおしちゃったワ。歌はあんまり上手くなかったけど・・。
と、その時、電話が鳴った。
「恭子さん、何してたの?」
う、やぶ蛇。いえ、ちょっと皆さんに須賀さんの話を少々・・。
「どーせまた悪口でも言ってたんでしょ」
いえ、そんなことは決して・・モゴモゴ。
「そうかな。最近なーはるさんとかいう意地悪な人の影響を受けてる気がするんだけど」
そ、それはあるかも。
「まあいいや。それより、明日何持っていくか迷ってるんじゃない?」
げ、どうしてわかったの?
「そんなことだろうと思ったよ。じゃ僕が選んであげるからさ」
どうやって?
「まず、お菓子を自分の回りに並べて、それから立って、目をつぶって、3べん回って」
3べん回って、ワン?
「じゃなくて、そのまま床に手をつく。何に触った?」
新潟味のれん本舗の豆もち・・。
「はい、それで決まりね。じゃ明日ね、恭子さん。おやすみ」
・・・・・。
皆さん、わたしってなぜか須賀さんに全部見透かされてるような気がしてしょうがないんですけど。気のせいでしょうか?
しかたないから、豆もちをカバンにしまって、残りは冷蔵庫にしまって、布団に入って寝たんだけど・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・ダメーっ!眠れない!
だって、明日は「須賀さんち」に行くのよっ!
あああ緊張するううう!!!
(つづく)
2001.7.29 ラブレボリューション外伝〜須賀家の人々(中編)
_2002年7月某日 _
すーっ、はーっ、すーっ、はーっ・・・ダメ。
深呼吸しても、このドキドキは抑えられない。
だって、だって、今わたしの目の前には、
「須賀」
という表札があるんだもん!
ああ皆さん、そうなんです。わたくし浅丘恭子、ついに、とうとう、須賀さんちへ来てしまったのです。もう心臓バクバク。おまけに、昨夜よく眠れなかったせいで目がちかちかするし、それになんだか肩と腕が重いのよ。なぜかしら。
「それは手に持ってるトランクのせいでしょう」
きゃっ、須賀さん!なんでわたしの背後にいるのよっ。
「恭子さん、駅で待ってて、って言ったじゃない。探しちゃったよ」
あ、あらそうだったっけ?
「で、このトランクの中には何と何が入ってるわけ?」
えっと・・・全部。ごめんっ、せっかく夕べ選んでもらったのに。あ、呆れてる?
「・・いや。そうなると思ったから、駅まで迎えに行くって言ったんだよ」
そ、そうだったの。
ああ、やっぱりわたしって、須賀さんに全部見透かされてるのかも。とほほ。
と、その時、須賀さんちのドアが開いて、
「いらっしゃい、お待ちしてたのよ〜」
と、にこやかに近づいてくるその人はっ。魚の腐った目、じゃなくて、離れた目元、じゃなくて、クールな美貌が須賀さんにそっくりな須賀ママではありませんか!きゃ〜。
「あら、そのトランクは?ご旅行にいらっしゃるの?」
「お土産をどれにするか迷って、全部持ってきちゃったんだってさ」
す、すいません。5種類ほど持ってきてしまいました。
「まあ〜そんなにたくさん?どうもありがとう。英一郎、こんないい方を見つけるなんて、あなたにしては上出来だわっ、ほほほほ!」
とか言いながら、須賀さんの背中をバシーンとたたく須賀ママ。
「こんなしっかりした方がついていてくれたら、ママ安心だわ〜。聞いてよ、恭子さん。英一郎ったらホントにいい加減で。中学も高校も、教科書を1冊も持たないで学校に行って、学級委員や隣りのクラスの子に借りて間に合わせてたくらいなのよ〜」
そうですか・・学級委員の女子と、隣りのクラスの女子に借りてたんですネ・・。
「あらっ!恭子さんは英一郎のこと全部お見通しなのね!よかった〜。ママますます安心しちゃった。英一郎がどんな人を連れてくるのかしらって、昨日の夜、緊張して眠れなかったのがウソのようだわ〜、ほほほほ!」
とか言いながら、わたしの肩をバシーンとたたく須賀ママ。見た目と違って、なんて気さくな人なのかしら。
と、その時、また家のドアが開いて、
「ほらほら、お客様を待たせて立ち話してちゃダメじゃないか」
と、言いながら出てきたロマンスグレイのその人はっ。笑うとくしゃっとなる目元と全体の雰囲気が須賀さんにそっくりな須賀パパではありませんか!うわ〜。
「さあさあ、恭子さんどうぞ中へ」
と、まるで昔からの知り合いのように肩を抱いて家へ招き入れる須賀パパ。う〜ん、このなれなれしい、いえ、フレンドリーな感じは須賀さんそのものだワ。さすが親子。しかも、須賀パパはテラスにしつらえたテーブルの、ちょうどパラソルの日影になってる一番いい席の椅子をひいてくれて、こう言った。
「7月の紫外線はお肌に悪いですからね」
う〜む。もしかしてこの親子は、4月だろうが7月だろうが12月だろうが、一年中「紫外線はお肌に悪い」とか言って、女性を口説いて、いえ、女性に親切にしているんじゃないだろうか・・。
それはともかく、須賀家は男が働くようにできてるのか、須賀パパと須賀さんが二人で料理をしたりお皿を運んだりしてるのヨ。その間、須賀ママは座って、お客様つまりわたしの相手をしてるわけ。いい男が働くのを見物しながら、女同士でおしゃべりするのって、なんていい感じなのかしら。皆さん、わたしの結婚は前途洋々かもしれないワ。うふ。
そうそう、須賀ママは古いアルバムを出してきて、子供の頃の須賀さんの写真を見せてくれたんだけど。ほっぺたがプクプクで可愛いの〜。あら?でも、この写真なぜ須賀さんが二人映っているのかしら?
「ああ、それは英一郎の双子の兄よ」
えっ!?
ふ、双子の兄ぃ!?き、聞いてないよ〜。
「ええっ?ちょっと英一郎、恭子さんに家族構成を話してなかったの?」
「いいじゃない、兄貴のことなんか」
「んまあ、何を言ってるの!だいたい、あなたはいつも口が足りないのよっ。1年前に婚約した時も電話もよこさないし。すぐアメリカに行っちゃって、結婚がどうなったんだかさっぱりわからないし。あなた、まさか恭子さんに相談せずにアメリカ行きを決めたりしたんじゃないでしょうねっ?」
ああ、この時の須賀さんの顔、皆さんに見せたかったわ〜!
そこへ、助け船ならぬ須賀パパが、お料理を持ってきた。
「恭子さん、英一郎の兄は俊一郎という名前でしてね。二人とも男の子だから利口になるようにと思って名づけたんですがね」
「だけど、二人とも性格の悪い子になっちゃって、誰に似たのかしら」
「そりゃ、おふくろに決まってるでしょ」
「んまっ、この子は親にむかって。もうママ後悔してるわ。もっと優しくて親孝行な子になるように、優一郎とか孝一郎にしとくんだったわ」
ぷぷっ!
「こらこら二人ともいい加減にしなさい。すみませんね、恭子さん、この二人は性格が似てるせいか、ずけずけ言い合うクセがありましてね。お詫びに私のとっておきのワインをあけましょう。これはトンドニアといって、スペインのリオハワインの最高峰でしてね。特にこの1982年ものは・・」
「出たよ、オヤジのうんちく」
「いいから、英一郎、パパからワインをとりあげて早く注いじゃいなさい」
「オッケー」
「あっこらっ英一郎!せっかくの逸品をそんなにジョボジョボ注ぐんじゃないっ」
ぷぷぷ!須賀家って、いつもこんな感じなのかしら。
「じゃあ、ご結婚決定ってことで、おめでとう〜!」
「かんぱーい!」
と、その途端、にわかに雲行きがあやしくなり、雷がゴロゴロ鳴り始め、大粒の雨が降ってきた。
「あらイヤね。今日は俊一郎が仕事で遅くなるっていうから安心してたのに」
え?
「昔から兄貴が家族旅行とかに来ると、たいてい台風や大雪になるんだよね」
「雨男じゃなくて嵐男なのよ。ロクでもないわ」
・・嵐を呼ぶ男、須賀俊一郎、いったいどんな人なんだ・・?
「じゃあパパがお料理を中へ運ぶから」
「英一郎、その間に恭子さんに部屋でも見せてさしあげなさい」
「え、うん・・・部屋、見たい?」
須賀さんの部屋!?見たい見たいっ!
「じゃあおいでよ」
きゃ〜。まさか部屋を見せてもらえるなんてっ。でも「部屋にヒト入れたくない」って言ってたのに。あの理由は何だったの?
「知りたい?」
えっ!?知りたい知りたいっ!
「じゃあ1回しか言わないからよく聞いてよ」
と、2階への階段の踊り場で立ち止まる須賀さん。その横顔を稲妻がピカッと照らす。わたしの肩に手をかけて、顔を近づける須賀さん。
ちょっ、す、須賀さん、そんな大胆なっ。
ああ、でもこの場面は古い映画で見たことがあるワ。
あれは、何の映画だったかしら・・?
(最終話につづく)