Drama&Movie
   
 

 


2002.12.19 ホーム&アウェイ 

 「かえで(中山美穂)という女性が旅をしながら人々とふれあううちに成長する」とかいうコンセプトだったこのドラマ。

 たしかに、最初の頃のかえではひどかったので(=彼女を娘と思いこんでる瀕死のボケ老人に娘じゃありませんっと言いはなったり、人からもらった旅のお守りを「大人になれるお守りだよ〜ん」などとウソこいて何も知らない子供に横流ししたり)、こんな女がいったいどう成長するのか見届けるため、途中はほとんどすっ飛ばしてたどり着いた最終回(おい)。


 最終回では、なんと今までその存在をすっかり忘れていたかえでの婚約者がニューヨークから来たギャングに誘拐されてしまうという事態に。身代金受け渡しのため、かえでのトランクに現金が詰められたその時、「私に行かせてください!」と言うかえで。「だって、旅が私を変えてくれたんですもの」とか何とか語るかえで。

 お! もしや現金を犯人に渡さずに済むいい方法でも思いついたのかい?


 すると、トランクを持って港に向かい、犯人の指示通りトランクを置くかえで。しかし離れがたい様子でトランクをさするかえで。そしてトランクを積んだボートが去っていく間もずっとトランクを見つめ続けるかえで…。


 って、現金行っちゃったよ? 警察もあわてふためいてるよ? ま、まさか子供の使いじゃあるまいし、「旅が私を変えた」と警察を説得したからには、何か秘策があったんじゃないのか、かえでー!? 

 しかし、そんなものは何もなく、どうやらかえでの脳味噌の中には、

「ああアタシの大事なトランクが、アタシと一緒に旅をしてきたいとしのトランクが行っちゃう〜〜!」

 ってこととか、

「そもそも上海でカニを食べて帰ってきたら〜夜逃げに巻き込まれて〜北海道で馬に携帯を食べられて〜大阪行って〜大分行って〜長野に行って〜パパを探し当てて〜、そんな旅で苦労して成長した素敵なア・タ・シ・の走馬燈のような想い出が行ってしまうのね〜〜!!」

 ってことしかないようなのだった。もちろん婚約者の身を案じるなんてことも、これっぽっちもないみたいなのだった。いったいこの女のどこがどう成長したというのでしょう?

 これだったら、かえでが現ナマ入りトランクを持ってトンズラしたほうがよっぽどマシだったと思いました。


 あ、そうそう、ラストシーンで、「トランクを持ち去ったギャングは、アメリカに帰ろうとしたのにどうしても帰れず、世界中を放浪するハメになり、結局エジプトで逮捕された」というニュースが流れて、どうやらあのトランクは持ち主を家に帰れなくしてしまう呪われたトランクだったというオチらしいですが。これについては、なーだんさん(うちの夫)が、「つまんねえオチだな。俺がもっといいオチを考えてやるぜ!」だそうなので、お暇な方は下のおまけを読んでやってくださいね。



・おまけ 「もうひとつのホーム&アウェイ  by なーだんさん」

 めでたく結婚式を挙げ、新婚生活に入ったかえで。 

 ある日、年末の買い出しに近所の激安ホームセンターに出かけたかえで。するとそこで、かえでが目にしたのは、「在庫処分」「現金特価」の貼り紙とともにズラーッと並べられたあのトランクだった。

 ぎゃーっ! あたしのトランクがこんなにーっっ!

 不審な目でかえでを見る買い物客。かえでは夢中で叫んだ。

 「このトランクを買っちゃダメっ! お家に帰れなくなっちゃうんだからっ!!」

 しかし、人々は怪訝な顔でかえでを見るのみ。なぜなら、誰も「ホーム&アウェイ」を見てなかったからである(あの視聴率の低さでは当然といえよう)。

 しかも、「買うな」と言われれば買いたくなるのが人の性(さが)。いつの間にか人々は争うようにトランクを手にとり、へたりこむかえでを尻目に、トランクはあっという間に売り切れちゃったのだった。

 …それから1週間後。

 東京近辺では、なぜか突然行方不明者が急増し、連日新聞をにぎわせていた。彼らはみな派手な柄のトランクを持ってでかけ、家族のもとには「金沢にカニを食べにきたら飛行機に乗り遅れて〜」「気がついたら沖縄で豚に携帯を食べられて〜」などの不可解な連絡が入るものの、いっこうに帰ってくる気配がないという。

 事態を重く見た日本政府は、ニュータイプの拉致疑惑と断定して、某国に正式に追加調査を要請したとかしないとか、そんな話である。ちゃんちゃん。

(おわり)




2002.12.26 2002年秋ドラマ各賞発表

 いまだ出口が見えない平成ドラマ不況

 前クールの夏枯れ夏ドラマで底を打った、と思ったのもつかの間、さらに底値を更新しちゃったよ秋ドラマ。まさか、鳴り物入りのあのサスペンスドラマも、大女優(?)結婚後初主演のあのドラマも、ずぇ〜んぶコケちまうとは。いったい誰が予想したでしょーか。

 失敗作の原因については、BBSとかで「脚本がひどかった」「ミスキャストだった」など色々言われているけど。私ははっきり言ってプロデューサーが悪いと思う。聡明な視聴者のみなさんはとっくに気づいてたと思うが、今クールのドラマはほとんどどれも同じ味がしたはずだ。それはずばり、親子どんぶりの味である。

 ロードムービーかと思ってた「ホーム&アウェイ」は途中から父親探しの旅になってたし。サスペンスのはずだった「真夜中の雨」も最後はなぜか父と息子の愛情物語に。「サイコドクター」の高所恐怖症や過食症や恋愛依存症も考えてみたらぜーんぶ親子関係が原因で。どろどろドラマの「薔薇の十字架」も(母+息子)×2という人間関係だし。「アルジャーノンに花束を」も母親が息子を引き取るというエンディング。そういや「天才柳沢教授の生活」も家族の話だったし。「おとうさん」「やんパパ」「ママの遺伝子」にいたってはタイトルからして親子モノ…。


 いくらなんでもここまで同じ味付けのモノを並べられて、辟易しない視聴者がいるだろうか。 おまけに、こんなセリフの数々…

 「お父さん、今まで育ててくれてありがとう」(by中山美穂 ホーム&アウェイ)
 「大切なのは家族のです」(by織田裕二 真夜中の雨)
 「私、お母さんの子供でよかった〜」(by羽田美智子 サイコドクター)

 って、どう思うこれ? 道徳の時間? それとも政府公報か

 不況で視聴者も弱ってるから泣ける話をふっておきゃ間違いないだろう、みたいな安易な発想で脚本家や俳優をしょーもない親子どんぶり地獄へ引っ張っていったあげく視聴者を愚弄したプロデューサーの方々はきっちり責任をとるよーに。

 


  ドラマフリーク・アカデミー賞
2002年秋ドラマ受賞一覧

最優秀作品賞 該当なし 次点 リモート

そげな〜! 次点とはいえ、まさかこのアホくさいドラマがここに入るだなんて。あるはずがないことだったのにぃ〜。だけど、今クールのドラマで、主演キャストに親子関係がからまないドラマって、コレとアレくらいしかなかったんですもん。まさに消去法のなせるワザといえましょう。

最優秀主演女優賞 深田恭子 リモート
そ、そげな〜! これまたありえないと思っていたのに。なぜここに? きっと深キョンはゴールデンSOS賞のほうでも選ばれるんじゃないかと思うけど。ここに入れたのは、本気でバカの役ができる女優はあまりいないという理由から。「ホーム&アウェイ」の中山美穂がコメディーなのにちっとも崩れなかったのを見るにつけ、たとえそれが地であったとしてもしっかりとバカ丸出しができるってのはえらいな〜と。
最優秀主演男優賞 竹野内豊 サイコドクター
このドラマが代表作になるくらい出来がよければよかったのに〜。そのくらい、彼はこの役に合っていた。低くて優しい声の癒し系ドクターに「あたしも治療された〜い・」と目をハートにした女性視聴者は多かったはずだ。つくづく、日テレにやらせたのが間違いだったと思う。
最優秀助演女優賞 石田ゆり子 薔薇の十字架

ボケ姑の中尾ミエにお立ち!」「お食べ!」「お座り!」「お手!などと命令するゆり子(最後のふたつはウソです)。まさかこんな役がはまるとは意外と芸域が広いかもしれない女優ゆり子。これからが楽しみだ。

最優秀助演男優賞 金田明夫 天才柳沢教授の生活

助演というよりは脇役なのかもしれないが。立てば疲れた、座れば眠い、歩く姿は見たことないという奥様がいるという、そんな万年助教授の吉田先生にぴったりだった。柳沢教授(松本幸四郎)と対照的な表情の豊かさ。特にショックを受けた時の顔は本当にタテ線が入ってるような感じで、「が〜ん!」とか「よろよろっ」という吹き出しまで見えるかのように漫画チックで素晴らしかった。

最優秀脇役賞 佐藤隆太 天才柳沢教授の生活

アホでいいやつをやらせたら抜群に上手い、っていうか地ですかアレは? いつもルンルン幸せそう♪で、彼のおかげでドラマがよりいっそう明るくなってたと思う。こんな彼氏がいたら楽しいだろうなあ。しかし、まさかこの彼にポンカン農家の鬼母ありとは。

最優秀脚本賞 該当なし 次点 土田英生、藤本有紀 天才柳沢教授の生活  
全体的にちんたらしていたが、途中途中にすごく笑えるツボがあった。泣ける家族愛は置いといて、その笑いのツボを追求してくれてたらもっとよかったのに。
流行語大賞 そげな〜 リモート  
一発ギャグというか決めセリフの見本。「ホーム&アウェイ」もミポリンが思わぬ土地に連れて行かれるたびにこのようなセリフをかましていたらよかったのに、と思う。東京行きの列車に乗ったつもりが、列車が切り離されて松本行きに乗っていたという回なんか、遠ざかる列車から「そんなバカなーありえなーい」みたくごちゃごちゃ叫んでたが。そげなーだったら一発で決まったのに。やはり人間は本当に悲惨な目にあったときはあれこれ言う気力はなく、「そげなー」とかがちょーんとかうっそぴょーんとか言ってしまうものではないだろうか。

※ゴールデンSOS賞(最悪作品賞)は、たーさんの「ドラマンボウ」に載ってますので、そちらをごらんください。


   
 

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