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2003.5.5 2003年春ドラマ 〜 きみはペット

 今クールの中で一番面白い。

 なんたって「美少年をペットにする」という設定がよい。メル友のせとぴさんが「あなたなら誰をペットにしたい?」なんていうアンケートをやってたので、ドラマが始まる前から妄想モードに入りそうになったではありませんか(結局、○ッ○ーに投票)。

 いざドラマが始まってみたら、ペットのモモちゃんこと松本潤くんは意外とダミ声で、しかもけっこうギャンギャンうるさくてびっくりしたけど。でも見てるうちに、だんだん情が移ってきて気にならなくなりましたわ、ほほほ。

 それに、飼い主の小雪がはまり役。東大卒の美人新聞記者で、でかくてクールで。ついたあだ名が能面。前から似てると思ってたけど。なあんだ、言ってもよかったんだね、能面って。

 そんな小雪が、セクハラ上司を殴って左遷され、彼氏にもふられ、異動先ではイジメにあい…。

 そうそう、働く女なら誰でも一度や二度はイヤな目にあったことあるだろう。だから、がんばり屋で、人前ではめったに笑顔を見せず絶対に泣かない小雪が、ペットの前でだけ泣き笑い(←日本語が変)ってところに、ウンウンとうなずいてる女性は多いことでしょう。


 しかし、男はどうなのか?

 BBSによると、 このドラマを見た男性の声は、理解できんというのと、僕もペットになりたーいというのに二分されているようである。

 そこで試しに、うちの夫にもこのドラマを見せてみた。

 すると、「なに?男がペット? 九州男児がそんなドラマ見れるかっ!」と憤慨するなーだんさん(←ちなみに九州に行ったことすらないのですが)。

 だけど、モモちゃんが「僕ここに住みたいな。ご飯があって布団があって、おねえさんのいい匂いがして〜」と言うのを聞いて、「ふーむ、女に面倒みてもらうのって男の夢かもなあ」などとつぶやくなーだんさん。

 ところが、モモちゃんが「お手」をしてるシーンを見て、「なんだコイツはっ! 男の沽券ってものがないのかっ」とまたもや憤るなーだん。

 と思ったら、「君といると引け目を感じるんだ」という小雪の元彼のセリフに、「いーじゃんいーじゃん、彼女にいっぱい稼いでもらってラクすりゃ、なあ?」などとのたまうなーだん。

 どうやら、うちの夫は、古い価値観と新しい価値観(?)の間をいったりきたり揺れ動いてるヒトのようです。モモちゃんのペット指数を100とすると、50そこそこのダメペットって感じですか、ははは。

 つうわけで、昨日からくりかえし「お手」をしてみたら、3回に1回は手を丸めてのせてくるようになりました。何事もしつけが大事ってことですね(そうなのか?)。




2003.5.16 きみはペット 〜 小道具の法則(前)

 こんなことを言ったら驚くかもしれないが。実は、似顔絵を描くのはそんなに好きじゃない(えっ!)。そもそも、似顔絵を描く前に、まずビデオを見直して、人物を観察するのに時間がかかるのが、チョー面倒くさいのだ(おい)。

 しかし、ごくまれに、そんな面倒くささを吹っ飛ばして、描きたくてたまらなくなる人にめぐりあうことがある。そして、気がついたときには、山のように出来上がっていたのです。モモちゃん(松本潤)の似顔絵がっ!(何枚描いたかはひみつ)


 OLのスミレ(小雪)に拾われて、彼女の昔の飼い犬と同じ名前をつけられたモモ。

 ペットでいる時もかわいくて絵になるけど、本業のモダンダンスをしている時がまた。手足が長くてすらーっとしてるので、立っているだけでサマになるし。手足だけでなく首が長いのが、いかにもバレエダンサーって感じでいいじゃないですか?

 …という話を、たーさんにしたら、

「松本潤は首が長いというより、アゴが短いんじゃ?」

 ですって。んまっ!

 
 それはともかく、似顔絵を描くためにビデオを隅から隅まで見てるうちに、私はある重大な事実に気づいたのです。なんと、松本モモちゃんは、すんごい衣装持ちなのですよ!

 1ヶ月前に、スミレの家の前でダンボール箱に入って発見された時は、着のみ着のままだったのに。毎週お洋服が増えていって、お出かけの度に首にまいてる変なエリマキだって、いつのまにか何色もそろえているモモちゃん。まあ、エリマキも洋服も、なんだかリサイクルショップで見つけてきたようなヤツなので、お金はあんまりかかってなさそうではあるけど。

 しかし、問題は洋服の置き場所です。彼は、大量の服をいったいどこに隠しているのか?

 それはずばり、ダンボールの中でしょう! そう、モモちゃんは、スミレに発見された時に入っていたダンボールを、なぜか捨てないで、自分の部屋(ロフト)の片隅に置いているのです。あれが、衣装ケースになっているのに違いありません。


 そして、そのダンボールはよく見ると、「Hawaiian Bananas」などと書いてある。日本語にするとハワイのバナナ(まんまです)。つまり、あのダンボールは、中にバナナを入れてはるばるハワイから海を渡って来て、その後、どこをどうさまよったかは知らないが、1ヶ月前にはモモちゃんを入れて、さらに今は彼の洋服をたんまり詰め込んでいるのです。まさに、ダンボールに歴史ありです。

 そんなわけで、私はこの波瀾万丈な「ハワイのバナナ」が、画面に映る度に目が釘付け。そして、このダンボールにもうひと働きしてもらいたいと願っているのです。つまり、それはどういうことかっていうと…

 (長いので、次回に続く)




2003.5.23 きみはペット 〜 小道具の法則(後)

 えーっと、今回は何の話をするのでしたっけ? そうそう、ダンボールでしたね。

 モモちゃん(松本潤)がスミレ(小雪)に拾われた時に入っていたダンボール箱。別名「ハワイのバナナ」は、今はこっそり彼の衣装ケースになってるらしい。というのが、前回の話であった(詳しくは5月16日の日記をお読みください)。そして今回は、このダンボールを効果的に使ってほしい、という話である。

 ダンボールの使いどころ。それは、モモちゃんがいなくなる時

 スミレはまだ知らないが、視聴者は、モモが来月初めにいなくなることを知っている。彼はドイツに行ってしまうのである。

 その時、モモはこのダンボールを置いていくのか? 持って行くのか? 


 もし、置いていくとしたら、ロフトにぽつんと残されたダンボールは、スミレにモモちゃんのことを思い出させるはず。

 ドラマでは、人がいなくなった時に、その人のゆかりの品がクローズアップされることがままあるけど。たいていは、写真や手紙、身につけていた服とかアクセサリーくらいで、ありきたりなのだ。

 けれど、それがダンボール、しかも、「ハワイのバナナ」だったら。そんなダンボールを抱きしめて泣く女ってステキな絵じゃありませんか(え?)。

 さらに、ダンボールを開けたら、例の変なエリマキがあったりしたら、なお可。

 それを思わず首に巻いて、そのまま出社してしまい、「あれ〜、そのエリマキ、巌谷さんのスタイリッシュな服と合わなくないですかあ?」などと笑い者になるシーンがあれば、さらに可。



 しかし、できれば、モモちゃんにはダンボールごといなくなってもらうほうが、より効果的でしょう。


 あのダンボールは、ロフトの梯子をのぼってすぐ右手の、非常にカメラに映りやすい場所にある。実は、無意識のうちに目に焼き付く特等席に置かれているのである。そんなハワイのバナナがなくなったら、ロフトはすごくがら〜んとした雰囲気になって、寂しさ倍増

 その場合は、ある日、スミレがとぼとぼと会社から帰ってくると、家の前にハワイのバナナのダンボールがあり、思わず駆け寄って開けてみるスミレちゃん! というシーンを採用していただきたい(もちろん、中にモモが入っていなくてもいいのです)。

 でなきゃ、ある日、ドイツからハワイのバナナが送られてきて、ドキドキしながら開けてみるスミレちゃん! なんていうシーンもいいなあ(中にモモが入っていたら大変です。窒息してます)。

 今はただの衣装ケース、というよりは、たぶん多くの視聴者にとってはただの風景と化しているダンボール。それが、いなくなった人を思い出させるロマンチックな小道具になるなんて、ステキじゃないですかあ。とるに足らなかったモノが大切なモノに変わる。これが「小道具の法則」なのですよ。うふっ。


 てな話を、なーだんさんにしたら、

「でもさあ、ドイツから送られてくるなら、ジャーマンポテトじゃない?」

 Σ( ̄▽ ̄;)!!??

 …すいません。この男、ちょっと殺していいですか…。

(おわり)




2003.5.26 きみはペット 〜 女ターミネーター

 今夏公開される「ターミネーター3」には、女のターミネーターが初登場するそうだ。

 が、一足先にこのドラマには、史上最強の女ターミネーターが登場していた。主人公のスミレ(小雪)の彼氏の蓮實さん(田辺誠一)を狙う紫織(酒井若菜)である。

 蓮實さんの携帯にしおりんという名前と番号を勝手に入れるわ、「元彼がストーカー化して、しおり殺されちゃう〜」と大ウソこいて夜中に蓮實さんの家に泊めてもらうわ、「蓮實さんは私のこと好きになりますよ」などと根拠のわかんない宣告をするわ…。

 断られても逃げられても、しつこく迫ってくるその姿は、体にが空いても分解しても、あっという間に元通りの形になって追いかけてくるターミネーターそのもの。


 しかも、しおりんは何でそんな風なのかっていうと、「小さい頃に母親が家を出たため、家族の世話に明け暮れて、欲しいモノが手に入らなかった」からだそうで。蓮實のことも、好きというよりは、彼が3高(高身長・高学歴・高収入)だから欲しいんですって!


 おまけに、甘ったるいブリッコしゃべりから一転してドスのきいた低い声でスミレに宣戦布告するしおりん。「あたしはあんたらエリートと違ってカッコつけないから」。

 すると、そんなしおりんの迫力に圧倒されたのか、巷ではあっぱれだのいっそいさぎよいだのガンバレ!とかいう声まで。

 しかし、しおりんを応援してるうちに、マジで蓮實さんとくっついちゃったらどーなるんでしょう? なんだかとても不幸な未来が見えてきませんか?


 もしも、しおりんが蓮實さんをゲットしたら…

 3高夫は出世街道をばく進し、高級住宅地に一戸建てを構え、平日はマダム仲間とランチにお買い物、週末には自宅でパーティ。

 しかし、軽井沢に別荘を買っても、よそ様が「海外に別荘を買った」という話を聞けばむかつき、自分の子よりいい学校に入った子がいると悔しくてたまらないしおりん。欲しいモノを手に入れても、これで終わりということがないターミネーター人生

 そんなある日、突然むなしさにおそわれて、あれ?わたし最近ドキドキしてないなどと、マンナンライフの蒟蒻畑のようなセリフを口走るしおりん。

 そして家路につくと、家の前になぜかダンボールが置いてあり、中をのぞいてみたらケガをしてる巻き毛のかわいい男の子が入っていて、蓮實が海外出張中だったので家に入れて手当をし、ムムちゃんと名づけてご飯を食べさせたりしたが、オムライスやカレーライスで満足するモモちゃん(松本潤)とは違い、ムムちゃんは贅沢なおかずをいっぱい並べないと機嫌が悪いグルメ犬で、金をせびってはゲーセンやパチンコでスったりする不良ペットで、でも一緒にいると癒されるので甘い顔をしていたら、気がつくと家中の現金や通帳を持ってトンズラされ、帰宅したハスミンに全てがバレて離婚騒動…

 みたいなことにならないと言い切れるだろうか。


 あら? 待てよ。そしたらそれで、また原点に戻ってやりなおせばいいのか。

 な〜んだ、心配して損した。しおりんを止めるには、やっぱ溶鉱炉に突き落とすしかないってことだね。ははは。




2003.5.30 きみはペット 〜 だまされる男

 主人公のスミレ(小雪)の彼氏の蓮實さん(田辺誠一)。

 3高エリートで、優しくてかっこいい憧れの先輩として登場した。と、思ったのもつかの間、かなりの天然ボケであることが判明し、さらに今ではすっかりピエロな人になってしまった蓮實さん。何でピエロなのかっていうと、それは、みんなにだまされているからだ。 

 美少年のモモ(松本潤)を飼っていることを、蓮實さんにひた隠しにしてるスミレ。

 蓮實さんの前では、スミレの友だちのユリ(鈴木沙理奈)の弟のフリをするモモ。

 「元彼にストーカーされてて、あたし殺されちゃう〜」と大ウソついて、蓮實さんの部屋に泊めてもらったあげく、パソコンから彼の日記をコピしやがった紫織(酒井若菜)。

 みんな、ひどくないですか? いくらハスミンが疑うことを知らないからって、調子に乗りすぎじゃないですか?

 
 まあたしかに、蓮實さんだって単なるいい人じゃなくて。この前なんか、夜の草むらでスミレにナニをしようとしたりして、あら〜蓮實さんのような紳士がそんなのいけませんわ〜、てなこともあったが。

 でも、よく考えりゃ、もとはといえばスミレがペットにかまけて、つきあって1ヶ月以上もたつのにおあずけにしてるからいけないんであって。かわいそうなのは蓮實さんのほうだ。

 しかも、さらによく考えると、蓮實がコトにおよぼうとした時は、いつもモモに目撃されているではないか!

 モモったら、初めて蓮實がスミレにチューした時はワンワン吠えて追い返し。ソファに押し倒した時はロフトからのぞき見し。そして、ナニしようとした時は上のテラスから見ーちゃった。

 こんな恥ずかしい場面を全部犬に見られてるだなんて。これがまた、ハスミンのピエロ状態を促進しているっつーか。

 
 しかし、スミレよ。このさい言っておくが、結婚するなら、ちょっとくらいピエロでも、だまされやすい人のほうがいいぞ〜。ダンナ様にするなら、人のウソや悪意に気づかない鈍いにかぎるって。私の経験によると、鈍感さというのは、頭の悪さや性格の悪さとセットになった場合は始末に負えないが。蓮實さんのような性格の良さとセットになった時は、最高のダンナ様になるのよ。

 たとえば、こっそりヘソクリで高い洋服とかを買ったとしても、「前から持っている」と言えば、あっそうだっけで済むし。一事が万事この調子で、やりやすいことこの上ない。

 そこへ行くと、モモなんかと結婚したら大変だぞ〜。

 蓮實と違い、人の心の中の中、裏の裏まで見抜くことができるモモ。今は、疲れて帰れば、気持ちをすぐ察してスミレちゃんどうしたの?とやさしく聞いてくれるが。これが結婚したらその洋服どうしたの?に変わるのだ。んで、ごまかそうとしても、「うそだよ。ヘソクリで買ったんでしょっ」とずばり言い当てられてしまうのだ。

 その時になって、(ちっ、やりにくいったらありゃしない。あーあ、こんなことなら鈍感でいい人な蓮實先輩にしときゃよかった)と思っても手遅れなのである。

 というわけで、私は断然ハスミンの味方。ってことで、

 がんばれ、オブリガード蓮實! ふられるその日まで(え?)。




2003.6.3 きみはペット 〜 犬のひみつ

 この前、ダンボールの話を書いたら、前回の「きみペ」にダンボールが登場しちゃった。あらら。「ハワイのバナナ」ではなかったけど、スミレ(小雪)が駆け寄って開けてみるところは日記に書いたのと同じ。ふーん、ここでダンボールを使ったってことは、モモ(松本潤)はドイツに行かないの? そんなのつまんない。ちゃんと行ってよ。男の子なんだから、ね!


 さて、ダンボールの中には入っていなかったが、とりあえずプチ家出からご主人さまの元へ戻ったモモ。彼にとっては、ペット生活は(人間扱いされないという意味で)想像以上につらいものがあったようだが。でも、何で人間扱いされないかっていうと、そりゃペットの真似が上手すぎるからでしょう。

 だいたい初めてスミレに会ったときから、「よろしくご主人さま」などとお手をし、床に仰向けになって服従のポーズをしてみせたモモ。この子はかなり芝居っ気があるのか? と思ったら、さらにスミレに向かって言ったセリフが「いい子でお留守番してたから、なでて」ってアンタ…。フツーこんなことを恥ずかしげもなく言えるだろうか?


 しかし、なぜモモが犬の真似が上手いのかの謎は意外にすぐ解けた。それは第3話あたりでモモが言ったお姉ちゃんが3人いるってやつである。それを聞いた時、「あちゃ〜、そういうことか」とうなった私。

 というのも、実はなーはる&たーさん姉妹にもがいるのです。つまり姉2人に弟で、モモんちのきょうだい構成とよく似てる。その場合どういうことが起こるかっていうと…

 昔々、毒舌姉妹が遊んでいると混ぜて〜と寄ってきた弟。けれど、姉たちの遊びはたいていお人形さんごっこだったため、困ったことが起こった。親は男の子に人形を買ったりしないので、リカちゃん人形の数が足りなかったのですよ。

 そこで、弟には木彫りのクマ(←北海道みやげ)が与えられた。が、クマの役だろうが何だろうが、やるしかなかった弟。なぜなら、小さい弟にとって姉たちとは、生まれた時から家にあった集団社会であり、仲間ハズレは最も避けなければいけない事態だったからである(笑)。


 …ということを踏まえてのモモですが、

 モモの家は母親がバレエの先生だったため、「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」のお姫さまごっこが主流だったのではないでしょうか。姉3人が姫の役を奪い合いしていると、「ボクも混ぜて〜」と寄っていった武志(←モモの本名)。だけど、「あんたは男だからダメ」と仲間ハズレにされて、大きな目を涙でうるませた武志。そんな彼に姉は言ったじゃあ、あんたはの役ね

 できれば召使い役のほうが人間なだけマシだったが、まだ小さくて言葉がダメなので、姫の飼い犬の役をやらされた武志。でも、これがけっこう上手かった。お手や服従のポーズで姉たちを喜ばせて「よしよし」され、誉めらるとうれしくてさらに一生懸命芸をみがき、なでて〜と頭を差し出した武志くん。その犬の才能が、後年、スミレに出会ってモモとして開花するとは(涙)。

 しかも、姉たちの中で揉まれた経験は、モモを人の気持ちを見抜ける子にしちゃったのね。わがままな女たちの心をいかにして見抜き、愛情をつなぎとめるかの訓練を、知らず知らずのうちに積まされたキビし〜い環境。モモがスミレの気まぐれ横柄な態度につきあえるのも、全部お姉ちゃんたちのおかげだったのね(滝涙)。ははは。




2003.6.4 きみはペット 〜 舞台ロケレポート

 みなさん、こんにちは。

 今日は、読者のMさんが、ロケレポートを送ってくださったので特別にご紹介します。今夜の「きみはペット」第8話に登場する舞台のシーンのレポート。これを読んでからドラマを見ると、別な楽しみ方ができることでしょう。ふふふ(ネタバレになりたくない方は放送終了後にお読み下さい)。


>5月22日 午前9時 武蔵野線 新八柱 森のホール21に集合。一緒に行った同僚のお目当ての松本潤は午後18時〜23時ご出勤だそうで、午前の部にはいらっしゃいませんでした。同僚はがっかりして、なーんだを連発!

 なんと、ダンスの舞台のロケのはずなのに、松本潤がいないっていったい…?


>10時40分 着席後、何気に小雪が、夏木マリが渡辺いっけいが入ってきました。おおーと皆のざわめき! 渡辺いっけい、気さくな良い人って感じです。無料エキストラの私達にでさえやさしく話しかけてきます。

 このレポートのおかげで、渡辺いっけいさん、少なくともウン千人(「ドラマフリーク」の推定読者数)に評判が上がったことでしょう(笑)。


>10時50分 撮影開始です。舞台には誰もいないのに、「クラッシックな踊りなので、笑わない・しゃべらない・携帯ぶるってのもダメ」と3重苦になってまして。女性ADに「舞台のこの辺で劇団員の人が踊ってる設定なので、真剣に見ててください!」って言われて、ジーっとその1点を見つめ。「松本潤が出てきて踊る設定ですので、上手で驚いた顔して!」って言われ、どーしたらいいのよっと悩み。3カットぐらい撮ったら「ハイ席替えです!」って、早い早い!

 えっ、松本潤がいないのに上手で驚いた顔をしろですって?? ドラマにウソがあるのは当たり前と思ってたけど。まさか、こんなヤラセがあるとは!


>11時15分 「はい、ここからここの列の人前行って」と言われ、私達前に行くの? あれ? 前から2番目の列よ、ここ! 何か一番前に席がぽつんと1席空いてるわ〜どうするんでしょう? って思っているうちに、なんと、私の斜め前にこ、こ、小雪が座った! あれーーっ何てこと! ここでは、小雪も松潤のいない舞台を見つめて演技。松潤が登場する(という設定の)ところで自慢げな顔をしていたらしいです。監督さんは小雪に、「ここは大事なシーンです」とか「もっと表情あってもいいです」とか「ここで目線がちらっと右横にそれるのやめましょう?」とか何とか、細かい演技指導をなさってました。

 な、なんと、小雪まで松潤がいないのに自慢げな表情とかをさせられてたわけですか。はああ〜。俳優さんって大変なんですねえ。


>ところで、エキストラは約100人。ホールの一部に固まって座ってました。また、カメラワーク上、俳優さんたちも席替えをして、小雪と夏木マリ・渡辺いっけいペアの座る位置が微妙に変わるんです(下図参照)。

 これは興味深い話ですねえ。カメラをズームするのではなく、俳優さんたちを近くに移動させてアップを撮るわけですね。


>11時45分 あっという間に、6カットくらいとって終了!! これから、田辺誠一も加わるらしい。ぇぇーー”紫の人”(古いと同僚に言われました)これから来るの? 残念! これからは本物のエキストラさん達の出番。私達はこれにて解散! 記念品のTBS3色ペンもらって帰りましたとさ。てな事で、第8話をごらんになる際は松潤のダンスの公演で小雪が映ったとき、左斜め後ろに白い服が映ったら私でございます。ちなみに、公演のポスターやチケットまで、ちゃんと作られるのにびっくり。細かいですね! なのに、受付のお花は造花でした!

 お花代をケチりましたかTBS(笑)。ところで、撮影は午後の部や5月27日の部もあったようで、その時はダンサーや松潤も登場しエキストラもたくさん入ったもようです。今回のレポートのロケは、客席にいる俳優さんのアップを撮るのが目的だったのですね。というわけで、みなさん、今夜の第8話は「モモがいないのに表情を作る」小雪の迫真の演技に注目ですよ〜(笑)。

 なお、レポートを採用させていただいたMさんには、なーはる特製の似顔絵ハガキをお送りします。ありがとうございました。


 




2003.6.9 きみはペット 〜 最終回予想その1 〜 ドラマの忘れ物

 どうでもいい「ダンボール」や「犬の真似」の話をしてるうちに、残りあと2話になっちった。ほんとはもっとネタがあるっちゃーあるんだけど、そんなことしてる場合じゃありませんっ。そろそろ恒例の(?)最終回予想をしておかなきゃ。

 といっても、このドラマが、よくある「エリートと年下の彼のどっちを選ぶ?」みたいなドラマだったら話は単純なんだけど。なにしろ、年下の彼はペットなので、もはや三角関係がどうこうより、どうやって人間にしてあげるか?ってのが最終回予想のポイントになると思われます。

 が、その前に、ドラマによくある忘れ物について書いておかなければ。前から言ってることだけど、ドラマってやつはほんとによく忘れ物をするのだ。私はこれを「あれはどうなった問題」と呼んでいるが。ネタをふるだけふっておいて、その解決編というかオチを見せずにとぼけるドラマが多くて困るのよっ。

 つうわけで、「きみはペット」で気になるネタをあげておきましょう。


モモの写真

 スミレ(小雪)の部屋に飾られている、昔の愛犬のモモの写真。

 スミレにぞんざいに扱われるたびに、モモ(松本潤)はこの写真を眺めてため息をついていた。「俺なんか写真も撮ってもらったことないもん」とも言っていた。かわいそう。蓮實さん(田辺誠一)でさえ、4年前の甲府時代の写真やプリクラがあるのに。

 ぜひ、最終回までに1枚くらい撮ってあげてほしい。

 と、思ったが、よく考えたら、愛犬のモモはお亡くなりになっているわけだし、蓮實さんもすでに亡くなったも同然。なんだか縁起が悪いので、写真は撮らなくってもいいや。

 モモがドイツに行ったあと、「そういえばモモの写真が1枚もない」とスミレがつぶやく、くらいのオチでいいです。が、もし万が一写真を撮ることがあったら、番組終了後に読者プレゼントにしてください。


シャンプー回数券

 モモがスミレの誕生日にプレゼントしたシャンプー券。「水着着用可」という文字とスミレの花の絵がかわいく描かれていたチケットを、スミレはあっさり丸めて捨てていた。も、もったいない! 捨てるなら私にください。じゃなくて、あのシャンプー券はホントは捨ててないのですよね? で、最終回でそれが使われる場面が出てくるのですよね? えっそんなことわからない? そうですか。だったら、もし使わないのでしたら、そのときはぜひ、番組終了後に読者プレゼントに…(しつこいっ)。


ぜんそく

 「俺、春先に風邪ひくと、ぜんそくが悪化するんだよね」と言っていたモモ。そんなモモが元カノとチューしてるのを見て、「なによ、ぜんそく持ちのくせに」と言っていたスミレ。だけど、それがどうしたってゆーか。はっきり言って、モモがぜんそくだというネタは、ストーリー展開上なんにも役に立ってません。

 てことは、これからなにかの役に立つんでしょうか? 

 でも、もしこれから役に立つとしたら、ぜんそくが悪化してドイツ行き中止もしくはぜんそくが悪化して早々に帰国みたく、マイナス方向に役に立ってしまいそうじゃありませんか? 

 えっ?そしたらまたスミレちゃんと一緒に暮らせていいじゃないかって? そんなバカな!


ドイツロケ

 もしこのドラマが月9で、視聴率が20%越えてて、SARSの問題がなければ、まちがいなくドイツロケは行われたでしょう。が、残念なことに、TBSで、12%で、SARSは依然として懸念されているのです。たぶんドイツロケはないでしょう。

 しかし、そのことに文句を言うつもりはありません。

 そうじゃなくて、私が心配なのは、「ドイツロケをしないのにドイツが登場する」ことなのです。みなさん、思い出しませんか? 前クールの「GOOD LUCK!!」が紀州白浜でロケしたのをハワイと言いくるめて、視聴者の失笑をさそったことを。

 私はいやな予感がするのです。だって、公式サイトに「お台場横浜でのロケのエキストラ募集。空港なので大きな荷物を持ってきてください」って書いてあったのを見ちゃったんだもん。すでに別な場所を成田空港と言いくるめようとしているなんて!

 というわけで、東京ドイツ村とかグリュック王国(北海道)」とかハウステンボス(長崎)」あたりが危ないとにらんでいる私。アクセス解析によるとほぼ毎日見に来てくれているTBSのあなた! こんな場所でドイツロケするのだけはやめるよう、スタッフに伝えてくださいね(笑)。




2003.6.10 きみはペット 〜 最終回予想その2 〜 それが女の生きる道

 恋愛ドラマってやつは、最終回近くなると、なぜか海外行きの話が出ることが多い。

 「ロンバケ」の瀬名(木村拓哉)はボストン、「ラブレボ」の須賀ちゃん(藤木直人)はワシントン。そして、「きみペ」のモモ(松本潤)はもうじきフランクフルトへ出発するところ。

 一時は、スミレ(小雪)のそばにいたくて、ドイツ留学をやめたようとしたモモだけど。やっぱり彼女の結婚を考えて、自分は身を引いて旅立とうとするモモ。いじらしい

 しかし、問題はスミレである。3高の彼氏(田辺誠一)がいるのに、美少年ペットを手放そうとしないずるい女 byシャ乱Q。そんな女が簡単にモモとさよならできるかしら? 予告では「ちゃんと見送ってあげなきゃ」なんて言ってたけど、あやしいもんだね。


 それにしても、なぜドラマの主人公たちは海外行きくらいで大騒ぎするのだろうか?


 だって、今はインターネットがあるんだから、毎日メールすりゃいいんだし〜。

 もしモモの姿が見たかったら、ライブカメラを備えつけりゃ、ご飯を食べたり床に寝ころがったりする様子がリアルタイムで見られるぞ。お風呂に備えつけりゃ、入浴シーンだって見れちゃうぞ。

 もしも、声が聞きたいなら、ボーダフォンもあるじゃない。ケータイで国際電話できるボーダフォン。ベッカム様も御用達。モモが今使ってるケータイがそのままあっちで使えるかどうか知らないが、もしダメだったら、番組スポンサー様に頼めば、きっと格安で機種変してくれるって。


 でもスミレは、やっぱモモには一緒にいて、きゅーっと抱きしめてもらったり、ふわふわ巻き毛に触っていたい、とか言うんでしょ? だったらスミレよ、あなたが仕事をやめてドイツに行ったらどうよ

 あなたのことだから、モモに「行かないで〜」と泣きついたりしそうだけど。スミレは努力すれば何でもできる人なんだから、ダンス以外は生活能力のないモモに合わせてあげなきゃ。前回の日記で指摘したにせドイツロケについては、このさいどこかテキトーな建物にテキトーに外人を配置したのをドイツと言いくるめても大目に見るから。モモのためにドイツ語を猛勉強してあっちに転職しなはれ。


 それとも、モモのことは好きだけど、「ペットはオスであって男じゃない」と今でも思ってるのなら、それは単なるあなたの思いこみ。なにごとも、実際に経験してみなけりゃわかんないのだから、いっぺんやっ(ピーッ!)らどうでしょう?

 私は原作を読んでないので、これは伝え聞いた話だけど。第8話で放浪中のモモが泊めてもらおうとしたバレリーナの女性。原作では、あの人は昔モモと、スミレと同じような関係だったらしいですよ。しかも、スミレがモモに「えっちはなし」と言ったとき、モモはちょっとびっくりしてたので、バレリーナとはえっちありだったのに違いありませんっ。

 それと、第4話だったか、モモが元カノ(石原さとみ)にラブホに誘われた場面。モモは誘いを断りつつ、「それともこのままここで…」と言いかけて、言葉が途切れたけど。原作では、「このままここで、指でいか(ピーッ!!)げようか?」って言ってたんですってよ、奥さん!

 てなわけで、たぶんモモはスミレが思っているよりずっとエロ…いえ、とにかくそういうことなので、今のキャリアと蓮實さんを捨てても十分おつりがくると思います(何の?)。迷わず彼について行ってください。Viel Glueck!(グッドラック!)




2003.6.11 きみはペット 〜 最終回予想その3 〜 きみぺの人々

 さて、今夜はもうラス前の第9話。スミレとモモ以外の人たちについてちょっとコメント。

●蓮實(田辺誠一)と紫織(酒井若菜)

 主人公のスミレ(小雪)にプロポーズして、初エッチもすませた蓮實さん。だけど、彼は最終的にしおりんに行くでしょう。

(ここより想像モードに入ります)

 先週、蓮實に「好きなんです!」と告白して軽くいなされたしおりんは食っときゃいいのにと本性をあらわにした。そんなしおりんを見て、「なんて育ちが悪いんだ。じゃなくて、きっと彼女は苦労したんだろうな。かわいそうに」などと思う蓮實さん。

 そう、実は蓮實は昔っから、捨て犬や野良犬などの素性の良くない犬を拾ってきては、飼い犬にしてかわいがる少年だったのだ。彼がスミレに「実家で犬を2匹飼っているんだ」と言っていた犬たちも、彼が拾ってきた雑種の子孫なのである。

 そんなわけで、蓮實さんは性格の良くないしおりんが気になり、しだいにボクの愛の力で直してあげたいなどと思ったりするのであった…。


●心療内科医の浅野(長塚京三)

 いつもスミレのペット相談にのっているカウンセリングの先生。面白いのは、ペットのモモ(松本潤)を犬だと思いこんで相談にのっていること。きっと最終回までに、実はモモは人間だったってことが彼にバレる場面が出てくるんじゃないでしょうか。

(ここより想像モードです)

 フランクフルトへ旅立つため、空港にいるモモ。スミレに電話をかけてみるがお話中。すると、隣りにいるおじさんのケータイに電話がかかってきた「もしもし? あ〜巌谷さん? またペットがいなくなったんですか?」。

 「巌谷」という名前を聞いて、おじさんの顔をちらっと見つつ、スミレのケータイにかけてみるモモ。留守電に吹き込む「もしもしスミレちゃん。今から行ってくるよ。また電話するね。あなたのモモより」。

 隣りの少年が「モモ」と名乗るのを聞いて、びっくりして混乱した様子のおじさん(浅野先生)。そんな浅野先生に会釈して搭乗口に向かう礼儀正しいモモであった…。


●順平(瑛太)とルミ(石原さとみ)

 武志(モモ)の元カノのルミと、彼女を好きな順平。気の強い女の子に包容力のある男の子。超お似合いの二人だと思います。

(ここより想像モード)

 武志のことが忘れられずに、順平を振り回していたルミだったが。ある日をさかいにナゼか順平のことが気になり始めた。それは、順平が就職活動のあとスタジオに寄った日からなのだった。どうやら、ルミはスーツフェチだったみたいなのだ。

 以来、デートの時でもスーツ姿を所望されるので、ちょっとめんどくさかったが、それで済むのならと喜んでスーツを着る順平。そのうちルミは、なんで武志が好きだったのかきれいさっぱり忘れてしまった。若い時の恋なんてそんなもんである。


(あ、そろそろ「きみぺ」が始まるのでこのへんで…)





2003.6.16 きみはペット 〜 最終回予想その4 〜 これがホントの最終回予想(前)

 さて、前回の「きみぺ」で、モモ(松本潤)ったら、自作の童話で「人間宣言(&愛の告白)」。おかげで、なーはる様が考えていた「どうやって人間にしてあげるか」のプランが全部パアよ(笑)。

 つうわけで今回は、最終回の予告に出てきたシーンをもれなく使って、つじつまが合うよう最終回のストーリーを予想する、ってのをやってみたいと思います。では、スタート!


_ 出発2日前 早朝 スミレの家 _

 ピンポーン(玄関チャイムの音)。
 人のいないリビング、キッチン、お風呂。
 スミレ(小雪)の寝室。ベッドで寝ているモモ(松潤)。上半身裸(・1)

 再び玄関チャイムの音。ようやく半分目が覚めたモモが、

「…スミレちゃん、誰か来たよ…」

 返事がないので、顔を上げるモモ。隣りに寝てるはずのスミレがいない(・2)
 するとまたチャイムの音。あわててズボンをはいて玄関へ行くモモ。


_ 玄関 _

 ドアを開けると、清水(渡辺いっけい)が立っていた。上半身裸のモモを見てちょっと引いた顔の清水。モモはドアを閉めて、玄関につっ立ったままぼーっとする頭で考えた。(・3)

 (スミレちゃん、どこへ行っちゃったんだろ?)


_ ユリの家 _

 その頃、スミレはなんとユリ(鈴木沙理奈)の家にいた。出勤するユリのダンナ(パイロットの制服姿)を見送るスミレとユリ。

「ユリちゃん、ごめんね〜、こんな朝早く」
「いったいどうしたの?」
「そ、それが私、昨晩、ペットとシっ、シっ…」
「ペットを追い払ったの?」
「ちがうの。ペットと、シ…ちゃったの
「なあんだ。やっぱりね〜」
「えっ、驚かないの?」
「だって、あんたたちって、はっきりいってめっちゃ相思相愛じゃん」
「そうかな」
「この前も、二人して『このまま時が止まればいいのに』かなんか言ってたし」
「えっ、なんでそれを?」
「だって、主婦に大人気の『きみはペット』かかさず見てるんだもん」


_ スミレの家 _

 モモが再びドアを開けると、まだ清水がいた。

「お迎えの時間には早くない?」
「着替えを持ってまいりました」
「服ならあるよ」
「いえ、武志さんが最近お召しになってらっしゃる服は、ご実家に着てらっしゃるにはちょっと」
「…」(ムッとするモモ)
「とくにあの変なマフラーはやめさせろと先生が」


_ ユリの家 _

「だけど、せっかくシたのに、なんでここに来るのよ?」
「だって、目が覚めて彼の寝顔見たら、ドイツに行っちゃうと思ったら、胸が苦しくなっちゃって…」
「そんなもん、 『ドイツと私とどっちを取るの?もちろん私よね』とか言って引き留めれば?
「言えないよ〜、そんなこと」

 ため息をついて、ソファにパタッと倒れるスミレ。(・4)


_ スミレの家 _

 清水が持ってきた服に着替えたモモ。いつも衿なしの服を着ているモモなので、衿のある服(・5)を着ると、なんだか人間らしく見える。

 スミレがどこに行ったかわからず、所在なく、ソファにパタッと倒れるモモ。

 引っ越しの記念に、管理人さん(山下真司)の写真を撮る清水。

 スミレが帰ってこないまま、部屋をあとにしたモモ。カギをポストに入れようか迷って、結局ポケットにしまった。車に乗り込むモモと清水。


_ 車の中 _

 昨夜のことをあれこれ思い出すモモ。

(スミレちゃんは俺とシちゃったこと、後悔してるのかな?)

 泣き出しそうなモモ。スミレのセリフが頭の中にひびく。

(私を置いていかないで…)

「…車、止めて」
「は?」

 車を止めさせて道路に飛び出すモモ。そこへバイクが通りかかった。

武志さん!!

 モモをつきとばす清水。(・6)

 キキーッ!

 倒れたモモが目をあけると、倒れている清水。

「清水!」
「…武志さん」
「しっかりしろよっ!」
「…武志さんは、私の希望の鳥です。どうか、ドイツに行ってください…」

 ガクッとうなだれる清水。叫ぶモモ。

「清水ーーーっ!」 


_ 夜 居酒屋 _

 部長(光石研)のおごりの飲み会をするスミレの会社の同僚たち。かなり酔っぱらって、みんなにからむスミレ。

そもそも、男だとかだ女とか!…むにゃむにゃ」
「巌谷さん、ちょっとペース早いっすよ〜」
「まあ、日本にいられるのもあと少しだからなあ」

 テーブルにつっぷしてしまうスミレ。

「…のバカ〜。ドイツに行っちゃうなんて…」
「えっ?」
「ドイツ?」
「蓮實さん(田辺誠一)って、リオじゃなくてドイツに行くんですか?」

 にんまりほくそ笑んで、さりげなくつぶやく紫織(酒井若菜)。

「巌谷さんの好きな人って〜別な人なんじゃないですかあ?」

「え"っ、そうなの!?」
「まじで!?」
「でも、それって」
「いったい」
どこのドイツだ?

「…部長、そのギャグはちょっと」
「最終回にはふさわしくないんじゃ…」
「うるせー」


_ 病院 _

 救急車で運ばれた清水は、検査を終えてベッドで寝ている。ドクターがモモを呼び出す。

「患者さんのご容体ですが」
「はい」
「たんなるかすり傷です」
「え?」
「てゆーか、はっきりいってピンピンしてらっしゃいます」

(…清水のヤロ〜、クサい芝居しやがって)(・7)

 むかついたモモは、清水の作製した予定表の予定(お母様とご歓談、姉上様方とティータイム、スタジオ挨拶回りなどなど)を全部ぶっち。モモが向かった先は、もちろんスミレの家であった…。

(つづきはまた明日〜)


(・1)ベッドで上半身裸 
前回のチューのあと、モモとスミレはどうなったのか? そりゃ〜たぶん、チューだけですむはずがないですってば(笑)。

(・2)スミレがいない だけど、シちゃったあと、夜明けのコーヒー(古っ)を一緒に飲んでしまったらドラマが終わっちゃいます。こういう時は、邪魔が入るか、どっちかが消えるのが王道ってことで。

(・3)玄関に上半身裸で立ってるモモ モモがはいてるズボンは、前回のラストでチューしたときに着てたヤツ。てことは、チュー→えっち→スミレが消えちゃって玄関でボー然。みたいな。

(・4)ソファ 予告に出てきたスミレが横になっているソファの柄はストライプ。ユリの家のソファです。いっぽう、モモが横になっているのは、赤いクッションのあるスミレの家のソファ。ほんとにモモを置き去りにしたのか?スミレ?

(・5)衿のある服 モモが衿のある服を着たのは初めて。なので、これはモモじゃない誰か(清水またはモモの実家、もしくはスミレ?)が用意した服なんじゃないでしょーか。清水がお迎えの時に持ってきた(もしくはスミレが用意しておいた)としたら、この衿のある服を着ているモモの映像は、最終回の中の早い時間ってことが推理されますです。

(・6)モモの身代わりになる清水 予告では、いかにもモモがバイクにはねられそうな映像。なぜドラマは最終回まぎわになると事故が起こるんでしょうか(笑)。だけど、この時のモモは衿のある服を着てます。が、予告では、別なシーンで衿なしの服を着たモモが「またいつか」などとスミレに挨拶するシーンも出てきます。衿なしのほうが時間があとだと思うので、ピンピンして挨拶してるってことは、モモは無事だったってことでしょう。

(・7)ケガしたふりした清水 でも、単にモモが無事だったら、あっさりスミレのところに行っちゃってドラマが終わっちゃう。ので、時間稼ぎという点から、清水がモモの身代わりになって少しはケガをしたか、気を失ったりして病院に運ばれたのではないでしょーか。そんなら、ケガしたフリ仮病が面白いってことで。




2003.6.18 きみはペット 〜 最終回予想その4 〜 これがホントの最終回予想(後)

 さーて、今夜はいよいよ「きみぺ」の最終回。
 「ドラマフリーク」もついに最後の最終回予想です。

 いや、ホントは昨日アップするつもりだったんだけどさ。なんとTV LIFEの締め切りだったんだよね〜(←忘れてた)。更新されてると思って見に来た方、ごめんなさ〜い。でも、スミレちゃんの似顔絵を描くはずが、古田新太@ぼくの魔法使いの似顔絵を描くハメになったなーはるの気持ちを察していただきたいっ(笑)。

 では、お待たせしました。最後の最終回予想(後編)スタート!


_ 出発1日前 朝 スミレの家 _

 リリリリリ(目覚まし時計の音)。
 ベッドから起きあがろうとするスミレ(小雪)。

(いてっ、頭痛い…)

 昨日の飲み会でしこたま飲み過ぎたのを思い出したスミレ。
 そういや、飲み会のあと、紫織(酒井若菜)が言ってたっけ。

『あなたには、一人が似合ってるのかも』

(…余計なお世話だっつーの)

『なーんて、一人が似合う人なんているわけないじゃないですか。いいかげん大事なものに気づいたらどうですか?』(・1)

(…なんなのよ、もう)

 ムカついたら、本当にムカムカしてきて、とっさに枕元の袋をつかむスミレ。
 それは、モモ特製のゲロ袋だった。

(…モモ、どうしてるかな?)

 と、一瞬思ったものの、かなり気持ち悪くなって洗面所に向かうスミレ。
 すると、廊下にモモ(松本潤)がいた。

 え"!?

 お互いにびっくりする2人。

「…なんでここに?」落ち着け、私
「…スミレちゃん、会社じゃなかったの?」落ち着け、俺

 次の瞬間、スミレは「うっ」と口元を押さえて、トイレに駆け込んでいた。

「スミレちゃん! 大丈夫!?」

 ザザーーッ。

 ドアを開けてヨロヨロ出てきたスミレに、

「スミレちゃん、もしかして、妊…
…娠してるわけないでしょ! 昨日の今日で」
「そっか、そうだよね。びっくりした〜」


_ 東都新聞社 _

 蓮實(田辺誠一)を呼び出す紫織。

「私、退職することにしました」
「え?」

 この女のたくらんでいることは…。


_ スミレの寝室 _

「はい、水。はい、薬」

 かいがいしくスミレの世話をするモモ。

「…ねえ、なんか用事があって戻ってきたの?」
「うん、着替えを取りに着た。この服、俺に似合わないっしょ?」

 と、服のをつまんでみせるモモ。

「…着替えたら行っちゃうの?」
「少し寝たほうがいいよ、スミレちゃん」
「私が寝てる間に行かないで」
「(ちょっと笑って)俺が寝てる間にいなくなったくせに
「…怒った?」
「ううん、ちょこっとショックだったけどね」
「…ごめん」
「いいって。もう寝なよ。目が覚めるまでいるから」

 スミレが眠ると、リビングの電話から電話をかけるモモ。

「もしもし、蓮實くん?…合田武志です」


_ スミレのマンションの前 _

 笑顔でモモを見送るスミレ。

「じゃ、またいつか」
「バイバイ」
「バイバイ」

 モモが遠ざかるにつれて、笑顔が消えるスミレ。
 ふりむくのが怖かったけど、思い切ってふりむく。
 モモのカバンに能面がぶらさがっているのを見て、目が点になるスミレ(・2)

 向こうから蓮實がやってきた。

「先輩!?」
「巌谷、ごめん。俺もあやまらなきゃ。ウソついてたこと


_ リビング 夕方 _

 蓮實はモモに電話をもらって、スミレのところへやって来たのだった。
 紫織が家に押し掛けてきたり、告白されてたことを話す蓮實。

「いいんです。知ってました」
「えっそうなの?」
「はい」
「そうか。実は彼女がリオについて来るって言うんだ」
「…先輩のこと好きでいていいですか? 先輩として(・3)
「巌谷…」
「いろいろごめんなさい


_ リビング 夜 _

 テレビに心療内科医の浅野先生(長塚京三)が出演している。

「リンゴを食べたらもう楽園には戻れない」

 またムカついてきたので、お風呂に入るスミレ。
 ポトリと涙がこぼれる…。


_ 出発当日 空港 _

 春香(乙葉)と一緒に旅行に出かけることになり、ルンルンな浅野先生。

 しかし、隣にいる少年のバッグにぶらさがっている能面が気になってしょうがない…。


(・1)いいかげん大事なものに こういうセリフがあるかどうかわからないけど、紫織は鋭いので、スミレもモモを好きだとピンときてると思いますです。あと、このドラマの予告はフェイクが多いので、「一人が似合ってる」とか言わせておいて、「んなわけないでしょう」と落とすのもアリかなあと。

(・2)カバンに能面 予告でモモがバイクにはねられそうになるシーン。スローモーションで見てみたら、ホントにカバンに能面がぶらさがっていたんです(笑)。この能面のおかげで、浅野先生が「この子がモモ?」って気づくんじゃないでしょーかね? あとは、モモの靴のウラに「モモ」という名前が書いてある、っていうのも使えるかもと思ってますが、どうでしょう?

(・3)好きでいていいですか? これもずばりフェイクでしょう。「スミレは土壇場で蓮實先輩に行く」と見せかけるための(笑)。



…さて、みなさん。ここで重大なお知らせがあります。

 実はなーはる、今から大事な用事で出かけなくてはならないのです(えっ!?)。申し訳ありませんが、このつづきは…自分で考えよう〜(おい!)。最終回予想なんてのはね、自分であれこれ考えるから楽しいの。人に頼っちゃーいけませんって(こら待て!)。

 えっなに? ホントはエンディングを考えてないんじゃないかって? バ、バカを言っちゃ〜いけません(汗)。

 しょうがない。ここまで読んでくださった方のために、特別に、以前から用意していたステキなラストシーンをお目にかけましょう。以前から、モモをどうやって人間にするかを考えていたなーはるですが。一番簡単なのはそりゃ「えっち」に決まってますが。ソレを使わずに、「もうモモじゃないんだな」と視聴者にわからせる高度なワザ(?)に挑戦してみましたの。ってことで、おまけシーンスタート!


・おまけシーン

_ キッチン _

 ちょっと深めのお皿に盛られたご飯。
 卵をパカッと割ってかける。
 そこへお醤油をひと足らし…と思ったら、キコキコキコと缶詰をあける音。
 缶詰のドロドロした中身をお皿にあけて、スプーンでぐちゃぐちゃにかき混ぜる。

 にっこり微笑んで振り向くスミレ。

モモ〜、ご飯できたよ〜

 ドアを開けてモモが入ってきた。

「ほら、モモのご飯」

 お皿を手にとってクンクンにおいを嗅ぐモモ。うれしそうにニッコリ笑って、ドアのほうを振り向いて言った。

モモ、おいで。ご飯だよ!

 すると、キッチンに入ってきたチワワ。
 そう、彼が新しいモモなのだ。

 新モモにエサ(ドッグフード入り卵かけご飯)をあげてから、食卓につく二人。

「いただきまーす」

 食卓に並ぶ、ご飯、焼き魚、おみそ汁、お新香…。
 そう、今までモモが犬っぽく見えていたのは、オムライスなどの一皿料理ばかり食べていたせいもあったのだ。人間らしいってことは、つまり、皿数が多いってことなのである。

 まだお箸の使い方がちょっとぎこちないのはご愛嬌。
 顔にくっついたご飯粒をとってあげるスミレ。
 そんなスミレにチュッ…人間になっても相変わらずのいちゃいちゃぶり。

 カメラが二人の手前にある写真を映す。

 赤い首輪をつけた、今は亡き2代目モモの写真…。

(おわり)




2003.6.24 きみはペット 〜 最終回

 いや〜驚いたね。この終わり方は。

 モモ(松本潤)はドイツ行きをやめてスミレ(小雪)の胸に飛び込んでペットに逆戻り。しかも、またエッチはなしですって!? ああ、かわいそうだよ〜まだハタチなのに。

 てゆーか、「ドイツ行きを中止」にしたってことは、すなわち「エッチはなし」しか選択肢がなかったってことよね。だって、日本に残って「生活費を出してもらう」上に「エッチあり」だったら、それはペットじゃなくて立派なヒモだもんね。


 それにしても、もっと驚いたのは、公式サイトをのぞいてみたら、この結末に満足してる人が多いこと。ペット以上、恋人未満などと言って、この先一緒に暮らしていけば、いつかはスミレとモモが恋愛関係になっていくのではないか? と思っているみたいだけど。そんなことは99%ありえない、ってことがナゼわかんないのかしら? 

 みなさん、スミレとモモの間に横たわる重大な問題点を見落としていませんか? 

 その問題点とはずばり、モモはスミレのタイプじゃないってことである。だってそうでしょう? もしタイプだったら、一緒にいたらドキドキしちゃってペットになんかできなかったはずだし。第一、もしタイプだったら、とっくに食ってるって! by しおりん(酒井若菜)

 
 んでもって、「一緒にいて緊張してちっとも楽しそうじゃない」と思えた蓮實さんに、スミレがナゼあんなにこだわったのかっていったら、そりゃ〜蓮實さんがタイプだから。

 そう、スミレは、自分のタイプの人と自分に合う人が一致してない人なのね。だから、話がややこしくなったのね。


 実は、なーはるの後輩にもこういう人が一人いる。マメで面倒見のいいA君が好きになるのは、いつも年下のかわいいお嬢様。だけど、彼は3人兄弟の末っ子で、本当は甘えん坊なので、甘ったれなお嬢様とは上手くいかないの。

 それで、「あなたに合うのは年上の女だ」と口を酸っぱくして言うんだけど。「わかっちゃいるんすけど」と答えつつ、またお嬢様を好きになって失敗を繰り返す彼。こういう人は、いくら言って聞かせてもダメなのだ。


 だから、私にはスミレとモモの未来が見える見える。


 モモは今「スミレちゃんが10回に1回、俺のこと武志って呼ぶようになった」などと喜んでいるけど。10回に3回武志と呼んでくれるようになった頃、蓮實さんに似た、いや、蓮實さんをもっとかっこよくした蓮の花が咲いたようないい男(どんな男じゃ)が現れて、スミレはまた恋に落ちるにちがいない。

 んでもって、その蓮の花男が、「スミレさーん」と言いながら抱きついてきたり、「俺、スミレさんの考えてること全部わかるよ」などと人の心にずんずん入り込んでくるような、つまりモモと同じような才能の持ち主だったりしたら。「タイプ」と「合う」の2つを兼ね備えた男に、モモはあっさり玉砕、そして捨て犬よ。そうなってからあの時、ドイツへ行って男を上げておきゃよかったと悔やんでも後の祭りなのである。


 つうわけで、今からでもモモはドイツに行くべきだ。スミレのタイプじゃないモモが、彼女の心を動かすとしたら、モモ自身が変わらなきゃ。モモが変われば、飼い殺しのことを「新しい関係」などと言うバカなご主人様も変わるかもしれない。恋愛関係に発展する可能性のある残りの1%が生まれるかもしれない。

 あ、でもなにも世界的ダンサーになれって言ってるわけじゃないわよ。そんなもんになったって、スミレは心を動かされません。「モモ、超かっこいいね」で終わり。そうじゃなくて、モモにはドイツで苦労して、一皮むけたいい男になってほしいの。

 若いうちに苦労がたりないと年食って痛い目にあう、ということを知っている人たちは、あの結末を見て、みなモモに向かって「ドイツへ行け!」と言ったはずだ。旅立とうとする人に向かって「あなただけの居場所が見つかりますよう」なんて言う人は、本当の苦労をしたことがないおめでたい人。そんな人の言うことを真に受けてはいけません。




2003.6.26 きみはペット外伝 〜 もしもドイツへ行ったなら(前)

 やっと完成しました「きみぺ外伝」。大変お待たせいたしました〜。

 最終回で、前途有望な若者の未来をつぶしちゃった「きみぺ本編」(笑)に納得いかない方も、あれでよかったと思ってる方も、読んでみてくださいまし。

 なお、最終回1話分まるまる書いたので、ものすご〜く長いです。お時間のある時にゆっくりお読みください。では、はじまりはじまり〜!


「きみはペット外伝 〜 もしもドイツへ行ったなら(前)」by なーはる 


__ 出発2日前 早朝 スミレの家 __

 ピンポーン(玄関チャイムの音)。
 スミレ(小雪)の寝室のベッド。
 で寝ているモモ(松潤)が、

「…う…ん、スミレちゃん、誰か来たよ…」

 返事がないので、顔を上げるモモ。隣りにいるはずのスミレがいない。
 再びチャイムの音。あわててズボンをはいて玄関へ行くモモ。


__ 玄関 __

 ドアを開けると、清水(渡辺いっけい)が立っていた。
 上半身裸のモモを見てちょっと引く清水。

「…あの…お約束の時間ですが」
「あ、そうだっけ。ちょっと待ってて。支度できたら連絡するから」

 ドアを閉めるモモ。スミレの靴がないのに気づいて、家の中を探し回る。
 どこにもスミレがいない


__ ユリの家 __

 その頃、スミレはユリ(鈴木沙理奈)の家にいた。

「いったい何があったのよ?」
「そ、それが私、夕べ、モモに『行かないで〜』って言っちゃって」
「で?」
「で、シっ、シっ、シ…ちゃったの
「シちゃった!? じゃ何で今ここにいるの?」
「だって、彼の寝顔を見てたら胸が苦しくなっちゃって」


__ スミレの家 __

 ケータイで電話するモモ。

「目ぇ覚めたらいないんだよ。ひどくない? …ってゆーか、もしかしてスミレちゃん、俺とあんまりヨくなかったのかな…」

 電話の向こうの順平(瑛太)が笑いながら、

「そういうことで悩んでるお前って初めてかもな」

「あっ、何でうれしそうなんだよ、ちくしょっ」


__ ユリの家 __

「で、で、で、どうだったの?」
「えっ、そ、そ、それは…」

 ほにゃ〜とした顔になって、クッションを抱きしめるスミレ。

「うっそ、そんなにヨかったんだ! やっぱりねえ」(・1)
「えっ、何でやっぱりなの?」
「だって、あいつ、若いわりに経験豊富だし、かわいい顔して案外エロいもんね」
「な、何でユリちゃんがそんなこと知ってるのよっ」
「だってえ、きみぺの原作マンガ買っちゃったんだもーん」
「…ユリちゃん」


__ スミレの家 __

 スミレの愛犬モモの写真を手に取るモモ。

「俺はスミレちゃんと寝られて、すっごいうれしかったのに」
「何でいないんだよ。もう出発の時間なのに…」

 ソファにぱったり倒れるモモ。


__ ユリの家 __

「で、結局、あいつを引きとめるの? それとも追いかけるの?」
「…あのね、ユリちゃん。モモのウェストってね、すっごく細いの」
「へ?」
「なんかね、彼のお腹の中には、大人のずるさとか、ずうずうしさとか、そういうものがまだ何も詰まってないんだなあって思って」
「…」
「これから、まだ私が見たこともないような綺麗なものを詰めていってほしいなって」
「…」
「だから、このまま会わないことにした」
「…いいの?」
「うん。会ったら絶対引きとめちゃうし」

 クッションを抱いたまま、ソファにぱたりと倒れるスミレ。


__ スミレの家の前 __

 引っ越しの記念に、管理人さん(山下真司)の写真を撮る清水。

ハンブルガーS!
V!


__ スミレの家のリビング __

 カバンを肩にかけたモモが、名残惜しそうに部屋を見渡す。
 部屋のドアを閉めて出ていくモモ。


__ スミレの家のリビング __

 入れ替わりに帰ってきたスミレ。

 ソファに並べて置いてある携帯と歯ブラシと合い鍵に気づき、そっと触れてみる。モモの想い出が次々と浮かんでくる。

『ありがとう、ごほうび。すっごいうれしかった』
『まあ、何にでも終わりはあるしね』
『スミレちゃん、お帰り〜!』

 思わず涙がこぼれる。 

「…モモ、ごめん。ちゃんとお別れ言えなくて」 


__ 車の中 __

 モモの自宅へ向かう車の中。モモの頭の中にもスミレとの日々が駆けめぐる。

『いい子ね、モモ』
『帰ろう…か』
『終わっちゃった。終わっちゃったよ…』

(蓮實君と終わったって言ってたけど、本当は…)

『私を置いて行かないで…』

(それで、俺とシちゃったこと後悔してるのかな…)

 泣き出しそうになるモモ。

「…車、止めて」
「え?」
「止めてよ!」

 車を降りて道路に飛び出すモモ。あわてて追いかける清水。
 そこへバイクが通りかかる。

武志さん!!

 モモをつきとばす清水。

 キキーッ!

 倒れたモモが目をあけると、清水が倒れていた。

「清水!?」

 返事がない。

「清水! …誰か!!」

 救急車のサイレンの音…。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


__ 東都新聞社 __

 書類の山にため息をつくスミレ。

「それでも地球は回っている…か」

「え? 地球儀が何ですか?」と、隣りの石田君(佐藤隆太)。

「そういやモモ、管理人さんにもらった地球儀、持ってったかな」と上の空で答えるスミレ。

 わけわかんなくて首をひねる石田っち。

 スミレの机に回覧が回ってきた。

『社員研修のため、ドクター浅野のカウンセリングルームは下記の期間お休みです』


__ ダンススタジオ __

 テレビに映るドクター浅野(長塚京三)の話に聞き入る脇坂(山咲トオル)。

「リンゴを食べたら、もう〜楽園には戻れない」

 脇坂はふんふんとうなずきながらも、

「でもさあ、人類の物語って、楽園を出たとこから始まるのよね〜」

 と、ツッコミを入れる。

 すると後ろから、順平とルミ(石原さとみ)も、

「だよね〜。この先生の言うことって、わりとテキトーだよね」
「あら、この番組よく見てるの?」
「なんか、前にこの先生に偶然会ったことあって」
「あらそう〜」

「それより武志、明日出発だよね」
「そうね」
「武志ならあっちでも十分やっていけるっしょ」


__ 病院 __

 ベッドに寝ている清水。かたわらの椅子に座るモモ。
 ドクターが入ってきた。

「検査の結果、左手首骨折で全治3週間です。転倒したときのショックで気を失われていたので、いちおう脳の検査もしましたが、そちらは異常ありません」

 ものすごくほっとした顔のモモ。
 眠っている清水に話しかける。

「ごめん清水。俺ちゃんとドイツ行くから」
「でもその前に、ちょこっと用事片づけてきていいかな?」


__ 翌日 東都新聞社 __

 蓮實のデスクの電話が鳴る。

「はい、外報部。え?僕に面会? どなたですか?」

「合田武志さんという方です」

 電話の向こうで告げられた名前を聞いて、蓮實はちょっと顔色を変えた…。

(つづく)


(・1)ヨかった 本編では、スミレがモモとのエッチについて、「勢い」だの「するべきじゃなかった」だの、さんざんなことを言っていましたが。まるで「モモがヘタくそ」だったみたいでかわいそう〜。それに、スミレのタイプでないモモが、ペットから恋人に昇格するには、よっぽどのきっかけがないと無理なので。エッチがきっかけのひとつだった、ってのはかなりアリだと思い、ここにモモの名誉を挽回させていただきました(笑)。




2003.6.30 きみはペット外伝 〜 もしもドイツへ行ったなら(中)

 さて、「きみぺ外伝」。前回の前編につづいて中編をお送りしまーす。

 えっ中編? ってことは、まだ続きがあるのかよ!?

 だから言ったでしょう。すごく長いって。


「きみはペット外伝 〜 もしもドイツへ行ったなら(中)」by なーはる 


__ 東都新聞社の入り口前のスペース __

 蓮實(田辺誠一)に背を向けていたモモ(松本潤)が、振り向いて口を開く。

「俺さ、明日ドイツへ行くんだ。だから…」
「ふーん、ドイツへ行くのはウソじゃなかったんだね」
「…」
「正直言ってショックだったな。巌谷が若い男と暮らしてたのも。僕にウソついてたのも」
「…」
「彼女から『ペット』とか『いい関係』とか聞かされても、全然理解できなかった」(・1)
「…」

 蓮實に気おされて黙るモモ。
 けれど次の瞬間、ちょっと開き直った顔になり、

「俺ね、ケガして行き倒れてたのをスミレちゃんに拾われたんだ」
「拾われた?」
「そ。ケガしてて、行くとこなくて、金もなくて。だからペットになったの」
「…ペット」
「ペットってのはさ、と同じだよ」
「犬?」
「うん。エサと寝る場所もらって家にいるの」
「…」
「で、ご主人様が帰ってきたら、お帰りって迎えてあげるの。だって、帰っても誰もいなかったら寂しいでしょ。だから、俺はダンスの練習のあとどこにも寄らないでまっすぐ家に戻って、ご主人様が帰るのをずっと待ってたよ」
「…ご主人様…か」

 モモの顔をちらっと見る蓮實。

「じゃあ君はペットとして、ご主人様にエサと寝床をもらって、お帰りって言って。で、あとは家で何をしてたの?」
「別に何も。エッチもしてないし
「えっ?」
「フツーはさ、男と住んでたらヤってるって思うよね」
「…」
「でも、そういうのはなし。最初に、スミレちゃんが俺を拾ってくれたときから、そういう約束だったんだ」

 蓮實はため息をついて、

「…そう、エッチはなしか」
「うん、そうだよ。安心した? 蓮實君、これが一番知りたかったんじゃない?」

 蓮實は少し柔らかい表情になって、

「じゃあ、ひとつ質問していいかな?」
「なに?」
「もしエッチしたらどうなる?」
「えっ?」
「もしも、ご主人様とペットがエッチしたらどうなるの?」
「…そんなこと、わかんないよ」
「わからなくても想像はできるでしょ?」
「…それは…ヤバいんじゃない」
「ヤバい?」
「…うん。だって人間と犬がエッチしたらヤバいじゃん」
「うん、たしかに…ヤバいな」
「でしょ?」
「でも、ヤバいって思うのはどっちなの? ペット? それともご主人様?」

 思わず黙ってしまうモモ。
 ようやく口を開いて、

「…知らないよ」

 そんなモモをじっと見る蓮實。
 さっき柔らかくなったと思った表情が、いつのまにか鋭くなっている。
 どうやら、蓮實はモモの言うことは、鼻から信じていなかったらしい。

「まあいいや。つまり君は、自分はペットだから彼女とは何もない、って言いにきたわけだ」
「…うん」
「で、ご主人様のためにヨリを戻してあげてくれと?」
「…」
「でも、君は彼女に恋愛感情はないの?」
「…ないよ。俺はただのペットだから」
「そうかな?」
「…え?」
「だって、君はダンスの舞台の日に『スミレちゃんが好きだ』って言ったじゃないか」
「あれはウソだよ」
「じゃあ、キスもウソなのか?
「あれは…花束のお礼だよ」
「僕には、唇にしたように見えたけど、君のお礼のキスはそうなの?」
「…」
「それに、君のバッグについてる、その能面。それ、巌谷だよね。彼女のかわりにドイツに持っていくんだよね?」
「…これは、ただの記念に」
「そうかなあ。キスはお礼で、能面は記念。なんかおかしくないか?」
「…」

 だまってしまったモモに、蓮實はたたみかけるように、

「僕には、君の巌谷への気持ちがこぼれて見えるよ。というより、僕はてっきり、君が『彼女が好きだからつきあいたい』って言いにきたのかと思ったよ。そしたら君は『ただのペット』だって。なぜ自分の恋愛感情を隠す必要があるんだ?」
「…」
「僕はね、君に巌谷とのことをもっと聞きたい。『エッチはなし』って聞かされても、『ああそうか』とはならないよ。じゃあ、一緒にいてどんな暮らしだったのか? どんな話をしてたのか? 知りたい。だから、君だって僕に、彼女とのことを聞きたいはずだ」
「…」
「君は本当は僕に、彼女の気持ちを確かめに来たんじゃないのか?」
「…」
「さっき、『もしエッチしたら』という話をしたら、君は口ごもったよね。なぜだい?」
「…」
「彼女との間に、恋愛を期待させるような何かがあって…」
「もういいよ」

 さえぎるモモの顔が苦しそうにゆがむ。

「…もういいよ。わかったよ。蓮實君は頭がいいよ」
「…」
「…そうだよ。好きだよ。でも、スミレちゃんにとっては俺はペットなんだ。俺は男じゃないんだ。好きなんてカッコ悪くて言えないじゃん」

 モモは、少しふてくされた顔になって、

「でも誤解しないでよ。エッチはしてないから。まあ、ちょこっと情熱的なチューはしたけどね。でも、それだって、ムリヤリお願いしてしてもらったようなもんだし…」

 蓮實は短くため息をついて、

「さっき君が、僕の一番知りたかったことを教えてくれたから、僕も君に、君が一番知りたいことを話すよ。…巌谷は僕に好きだと言った。彼女にプロポーズした日のことだ。あれから1週間、いや2週間か。今の彼女の気持ちは知らないが、あの時の言葉は本物だったと思う。あの不器用な人がしぼりだすように『好きだ』と言ったんだから」

 ふいをつかれた顔のモモ。
 モモの目がみるみる潤んで、大粒の涙がポトリと落ちた。

「…君はまだ若いんだね。僕は彼女と君が一緒に暮らしてることを知った時、泣けなかった」
「…」
「でも、恋すると臆病になるのは、年とっても同じだよ。君は彼女に直接気持ちを聞くのが怖いから、僕のところに来たんだよね? 同じように、僕も怖くて聞けなかった。いつもペットの世話があるからとすぐ帰ってしまう彼女に、ずっと何か変だ、変だと思っていたけど、聞けなかったんだ。なぜだろうね? なぜ恋をすると、人は自分の気持ちを見せられなくなったり、怖くて相手に気持ちを聞けなくなるんだろうね?」
「…」
「たぶん君は、彼女の心を確かめたい気持ちと、彼女の幸せのために僕にヨリを戻してほしい気持ちと、両方の気持ちで来たんだと思う。せっかく君が来てくれたから、彼女と話をしてみるよ。どうなるかはわからないけど…」

 モモの肩をポンとたたく蓮實。
 ポロポロと涙をこぼすモモ。


 …と、そこへ、取材帰りの石田君(佐藤隆太)が通りかかり、モモの姿を見つけて、

「あれ? あれは確か…そうだ、巌谷さんの弟さんだ」

 さらに、蓮實が一緒にいるのを見て、

「えーっと、そっか、義理の兄と弟か〜」

 納得して、うんうんうなずく石田君。しかし、モモが泣いているのを見て、

「えっ?」

 状況がわかんなくて目をパチパチさせる石田っち。


__ 東都新聞社 エレベーター前 __

 生活情報部のあるフロアのエレベーター前。
 石田君がエレベーターから降りてきて、スミレ(小雪)と出くわす。

「あ、巌谷さん、下に弟さんが来てましたよ」
「弟?……えっ! どこに!?」
「会社の入り口を出てすぐの…」

 石田っちが言い終わらないうちに、エレベーターに飛び乗るスミレ。

「あっ、巌谷さん、弟さんは蓮實さんと…」

 そこへ通りかかった紫織(酒井若菜)が、

「蓮實さんがどうかしたの?」
「いや、蓮實さんと巌谷さんの弟さんが下で話をしてて。で、弟さんが泣いてたんだよね〜」
「えっ」

 すると、さらに通りかかった瓜山さん(マギー)が、

「お姉ちゃんがお嫁に行っちゃうのがイヤだ〜、って感じ?」
「いや〜それが、僕には、二人が恋のライバルみたいに見えたんですよねえ」
「じゃあ何かい? 巌谷さんは弟さんともできてるってこと? 近親相姦はまずいよ〜」

 すると、紫織はぱっと顔を輝かせて、

「石田っち、サンキュー!」

 と叫んで、次のエレベーターに飛び乗った。
 残された石田君と瓜山さんは、

「どういう意味ですか? 今のは?」
「さあ…」


__ 東都新聞社 1階フロア __

 モモと話を終えて戻ってきた蓮實。
 蓮實に気がつかずに、フロアを全速力で走り抜けるスミレ。
 途中、清掃中の看板に蹴つまずき、回転扉にはさまれそうになりながらも出ていくスミレ。
 そんなスミレを見つめる蓮實。


__ 東都新聞社の外 __

 タクシーに乗り込むモモ。

「モモ!」

 必死に追いかけるスミレ。けれどタクシーは行ってしまう。
 それでも追いかけるスミレ。

「モモ! モモ! ……あっ」

 つまずいて転ぶスミレ。そのまま座り込んでしまう。
 すると、タクシーが止まり、モモが降りてきた。

「スミレちゃん!」

 スミレのところまで走ってきたモモ。両手をさしのべる
 モモの両手につかまって、立ち上がるスミレ。
 モモはスミレの両手をつかんだまま、泣いたあとの少し赤い目でスミレを見つめて、

「…俺、うれしかったよ」
「…」
「スミレちゃんと一緒にいられて」
「…私も…楽しかった…モモと一緒で」
「…」
「モモ、元気でね。体に気をつけて。あ、また変なホテルに泊まってボコボコにされたりしないように」
「(ちょっと笑って)スミレちゃんこそ、泣きたいときには泣きなよ」
「…モモ」
「…蓮實君と仲良くね」

 そっとスミレの手を離すモモ。

「じゃあ、バイバイ」

「……バイバイ」

 涙目でモモを見送るスミレ。
 モモのバッグに能面がぶらさがっているのを見て、泣き笑いの顔になる。


__ 東都新聞社の1階フロア __

 戻ってきたスミレに、蓮實が声をかける。

「巌谷」
「…先輩?」
「話があるんだ」

 そんな蓮實とスミレをこっそり見ている紫織。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


__ 出発の日 空港 __

 社員旅行などと称して春香(乙葉)と旅行に行くことになり、るんるん気分のドクター浅野(長塚京三)。
 しかし、さっきから、前を歩く男の子のバッグにぶらさがる能面が気になっていた。
 ルフトハンザ航空のカウンターでトランクを預ける男の子。
 トランクに貼られたテープにFRAとあるのを見て、浅野は、

「FRA、FRA…フランス?」

 すると、春香が、

「フランクフルトですよ、先生」
「おっ、そうだったね…えっ、フランクフルト!?」

 何かを思い出しかけた浅野。
 しかし、それが何かわからないので、男の子についていく。
 すると、男の子のバッグの能面が床に落っこちた。
 能面を拾って、くくりつけるために、バッグを床に置いてひざをつく男の子。
 すると、彼の靴の裏に、ハートマークとモモという文字が…。(・2)

 そのとき、ドクター浅野の脳の中で何かがはじけた。能面、フランクフルト、モモ…。
 まさか、この男の子が巌谷スミレさんのペット…?

「あ〜、君ぃ、つかぬことを伺うが」

 と、モモに話しかける浅野。

「君は踊りは得意かね?」
「え? あ…はい」
「そうか、やっぱりそうか」

  うれしそうにうなずく変なおじさんに、モモは不思議そうな顔をしながらも、

「踊りましょうか?」

 と言って、床にバッグを置く。ゆっくりポーズをとるモモ。
 近くを通る人々が足を止めて、モモを見る。
 ポーズのあと、勢いよくくるくるっと回転するモモ。
 美しいピルエットに、わきおこる歓声と拍手。
 観衆に優雅におじぎをして、にっこり笑顔になるモモ。

 モモはバッグを手に取ると、浅野たちにちょっと会釈して、出国ゲートへ向かって行った。

 その姿を見ながら、春香は、

「やっぱりモモちゃんは、笑顔がやわらかいですね〜」

 そういえば、彼女はだいぶ前にすでにモモのことを「笑顔のやわらかい男の子」だと言い当てていたっけ。おそるべし。

 その春香は、さらに、こんなことを言う。

「どうして巌谷さんは一緒に行かないんでしょうね?」
「えっ? だってそりゃ君ぃ、巌谷さんにはれっきとした蓮實さんという恋人が」(・3)

 そのとき、浅野のケータイが鳴った。ピロロロ…。

「おや、噂をすれば。もしもし巌谷さん? どうしました?」
「先生、わたし昨日、彼氏にふられました
「えっ!?」

 驚いて春香を見る浅野。にっこり微笑む春香。おそるべし…。

「おまけに、ペットもドイツに行っちゃって、何も手につかないんです」
「あ〜モモちゃんですね。彼はじつに踊りが上手でかわいい男の子だ」
「えっ、先生、モモが人間ってことご存知だったんですか!?」
「そりゃとっくに」(うそばっかり)

 咳払いをする浅野。

「で、今あなたはペットロスで、しかも彼氏ロスであると」
「はい、私はどうしたらいいでしょう?」
「人はごくごく小さな個体として生まれ、常に大きくなりたいもっと大きくなりたいと云々かんぬん…」
「あの〜先生」
「何ですか?」
「前から言おうと思ってたんですけど、先生のお話は難解すぎます。たぶん視聴者の皆さんは半分も理解できてないのではないかと。私は東大卒だからいいですけど」

 ゲホゲホ咳込むドクター浅野。

「ですから、簡単にお願いします」
「わ、わかりました。じゃあ、まず目を閉じて。右手を左胸にあててください」
「…はい」
「そして、その手を胸から離して手のひらを前方へ向けます」
「はい」
「あなたは、その手のひらで何を触りたいですか?」
「何ですかこれ? ハンドパワー?
「いいから、頭で考えないで、手のひらで考えなさい」
「………うーん…………ふわふわした髪の毛に触りたいです、モモの」

 ケータイを持ち変える浅野。

「今の答えの中に、あなたの進むべき道があるかもしれません」
「えっ! それは私にドイツへ行けってことですか?」
「それはあなたの判断です」
「でも私には仕事があるんです。そんなこと簡単にできません」

「いやいや、結論を急ぐ必要はありません。じっくり考えればいいんです。あなたの失った人があなたにとってどのくらい大事だったか。その人にとってあなたの存在はどのくらいなのか。だって、あなたはこのドラマの主人公なんですから。あなたが3ヶ月間考えれば、ドラマも3ヶ月待ってくれるし、1年後に結論を出せば、ドラマも『1年後』ってテロップ出してくれるんです」
「はあ」
「ただし、主人公なんだからちゃんと行動を起こしてくださいよ。主役が何もせず、温泉でも行こうかな〜とか言ってたら、ペットが帰ってきてめでたしめでたし、なんていうアホなドラマはあんまり見たことないですからね〜(あるけど)。あっはっは。では、お大事に」


__ スミレの家 __

 その夜、スミレは夢を見た。
 勇者ペルセウスになって空を飛び、囚われているお姫様を助けに行く夢を。
 スミレがお姫様の元にたどり着き、首につけられていた首輪をはずしてあげると、お姫様は振り向いてうれしそうに短く鳴いた。

ワン!

(後編につづく)



(・1)ペットって何? 
ドラマ的にかなりおいしい男同士の対決の場面。蓮實さんは、モモにいろいろ聞きたいことがあったはずです。「そもそも何でペットになったのか?」「ペットってどんなことしてるのか?」「エッチはしてるのか? してないのか?」。 なのに、本編では、蓮實さんとモモは、毛布や石ころの話に終始。「ちょいと、のんびりそんな話をしてる場合じゃないでしょー」とつっこんだのは私だけじゃないと思います。

(・2)靴の裏にモモ 本編では、ドクター浅野は「能面」と「フランクフルト」だけで「モモ」だと気づいたけど、いくら何でもそんなのアリですか〜?(笑)

(・3)蓮實さんという恋人 これは一番つっこみたいことですが。本編では、ドクター浅野は「スミレには蓮實という恋人がいる」ことを知っており、しかも彼らが別れたのを知らないのに、モモに「あなたの居場所を見つけてください=スミレの元へ戻れ」などと言ってました。もしモモが戻ったとき、蓮實と鉢合わせしたらどうするつもりだったんですか?(笑)




2003.7.6 きみはペット外伝 〜 もしもドイツへ行ったなら(後)

 モモ(松潤)がドイツへ行かなくてガッカリした人が続出した「きみぺ本編」。

 ならば、「なーはるがモモをドイツに連れてってあげましょう」というコンセプトで書きおろした「きみぺ外伝」。オードブル(前編)→メイン(中編)と来て、ようやく最後のお楽しみのデザート(後編)。ゆっくりお召し上がりくださいまし〜。ほほほ!


「きみはペット外伝 〜 もしもドイツへ行ったなら(後)」by なーはる 


__ 1ヶ月後 フランクフルト __

 バレエ・フランクフルトのスタジオ。
 ダンスの練習をするモモ(松本潤)。

(モモのナレーション)
『スミレちゃん、元気? オレはチョーー元気! と言いたいところだけど、シビアな毎日でちょこっとお疲れギミ…』

 練習を終えて、応接室で手紙を書くモモ。(・1)

(モモのナレーション)
『…こっちに来てみたら、オレの実力はたぶん下から数えた方が早くて。だから、みんなに追いつくために必死に練習して、寝て起きてまた練習して。毎日毎日そんな感じの…』

 手紙を書くモモに、先輩のダンサーが話しかけてくる。

「タケシ、恋人ニ手紙?」
「ううん、ご主人様に書いてるの」
「ゴ主人サマ??」
「そ。俺のご主人様はね、美人なんだけど能面みたいな顔してるんだよ。知ってる?能面」

 バッグにぶら下がっている能面を手にとって見せるモモ。

「ほら、これ」
「オー、コワイ顔」

 するとそのとき、開いているドアの外の廊下を、能面に似た女が横切った。


(え?)

 びっくりするモモの視線の先、もうひとつのドアの外をまた横切る女。ドイツ人のスタッフと何やら談笑して階段の方へ消えていく。

 あわてて、能面と便せんをバッグにしまって部屋を出るモモ。

 ドイツ人スタッフがモモを呼び止める。

「タケシ、今、日本ノ新聞社ノ人ガ…」

 聞き終わらないうちに、ダッシュで階段を駆け下りるモモ。

「スミレちゃん!」

 階段を降りきったところで、モモの声に気がついて振り向くスミレ(小雪)。

 微笑むスミレの姿を見て、モモは夢を見ているような気分になったが、それはまぎれもなくスミレなのだった。


「…スミレちゃん…俺に会いに来てくれたの?」
「取材の仕事で来たの」
「取材? 何の?」
合田武志の」
「…それ、俺じゃん!」
「まあね」
「わざわざ日本から俺の取材に来たの?」
「上司命令なのよ。異動の前に休暇を消化しようと思ったら、どうせなら海外へ行ってついでに特集記事のネタをとって来いって、あの鬼部長〜…」

 スミレが話し終わらないうちに、思い切り抱きつくモモ。

「スミレちゃん、会いたかったよ〜」

 通りかかるダンサーたちが、口笛を吹いて二人を冷やかす。

「モモ、人が見てるってば」
「いいじゃん、別に」
「モモ…」

 と、そのとき、スミレのケータイが鳴った。

「あ、電話電話」

 と言いながら、モモを押しのけるスミレ。

「はい、巌谷ですが。え? 蓮實先輩!?

 蓮實(田辺誠一)の名前を聞いて、眉間にシワをよせるモモ。

「先輩、今どちらに?」
「今リオなんだけど、いや〜ボーダフォンって便利だね」
「…そ、そうですね」
「いや、さっき本社に電話したら、巌谷がドイツに行ってるって聞いて。もしかして、武志君のところかなって」
「ええまあ、取材ですけど」
「前に彼にちょっときついこと言っちゃったから、気になってて」
「そうでしたか」
「悪かったって伝えてくれないかな」
「…先輩」

「巌谷にもいろいろ言ったけど。いい先輩と後輩でいたい、っていう気持ちはホントだから」
「…はい」
「これからも巌谷のこと遠くから見てるよ」
「…はい」
「そうそう、今こっちに福島紫織さんが来ててさ」
「え?」
「彼女、リオにサンバを習いに来たんだって。奇遇だよね〜」
「…あの先輩、それはたぶん偶然じゃないような…」
ワン!
「えっ?」
ワンワン!
「ちょっ、ちょっと、モモっ」
ワン、ワンワン!!
「はは、やっぱり武志君と一緒なんだ」
「す、すみません先輩、こらっ、モモっ!」

 ピッとケータイを切るスミレ。

「モモっ、よくも台無しにしてくれたわね」
「だって〜」
「せっかくのお別れの電話だったのに」
「えっ、うっそ!」
「先輩、モモにもごめんね、よろしくって」
「マジで!?」
「それなのに…」

 歩き出すスミレ。
 あわてて追いかけるモモ。

「ねえ、スミレちゃん! ごめん。怒んないでよ〜」
「あ、そうだ、俺の取材するんでしょ?」
「うち来る? すぐそこだから、ね?ね? 」


__ モモのアパートメント __

 部屋の片づけをするモモとスミレ。
 一緒に料理を作る二人。

(その他の人たちの映像が流れる)

 自転車に二人乗りする順平(瑛太)とルミ(石原さとみ)。
「武志、どうしてるかなあ」

 カウンセリングをする春香(乙葉)を、隣りで見守るドクター浅野(長塚京三)。

 脇坂ダンススタジオでレッスンを受ける清水(渡辺いっけい)。
「あら、あなたスジがいいわね」
「ええ、クラシックをやっていたもので」

 リオでサンバを踊りまくる紫織(酒井若菜)。
「スジガイイデスネ、しおりん!」
「イエー!!」


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


__ リビング __

 ソファに座る二人。
 スミレにもたれかかってベタベタ甘えるモモ。

「あ〜、スミレちゃんのご飯おいしかった!」

 スミレはというと、ひっつめ髪に眼鏡。ひざの上にノートパソコンを置いている。

「さ、そろそろインタビューを始めてもいいですか、合田武志さん?
「えーーっ! 仕事かよ〜〜」
「そのために来たんだもん」
「ちぇーーっ」

「じゃ、最初の質問ね。ドイツに来てつらかったことは何ですか?」
「スミレちゃんに会えないこと」
「…マジメに答えてよ」
「だってホントだもん」
「もう。じゃ、次の質問。ドイツに来てよかったことは?」
「スミレちゃんが来てくれたこと」
「ちょっと…私をクビにする気?」
「ん〜〜。あ、待って」

 バッグから便せんを取り出すモモ。

「これ、今日スミレちゃんに書いた手紙。書きかけだけど」
「え、どれどれ。 …スミレちゃん、元気? オレはチョー元気!」
「声に出して読まないでよ! 恥ずかしいじゃん」

 と、そのとき、電話が鳴った。

「もしもし。あ、清水? なんだよ、今いいところなのに。え?いつ?…」

 受話器を持ったまま、隣りの部屋へ行くモモ。

 手紙を声に出して読むスミレ。

「…スミレちゃん、元気? オレはチョーー元気! と言いたいところだけど、シビアな毎日でちょこっとお疲れギミ。こっちに来てみたら、オレの実力はたぶん下から数えた方が早くて。だから、みんなに追いつくために必死に練習して、寝て起きてまた練習して。毎日毎日そんな感じの「ア・ハード・デイズ・ナイト」。で、気がついたら1ヶ月たっちゃった。…」

(途中からモモのナレーションで)

『 …でも、こっちに来て、オレは日本にいた時すっごい幸せだったってことがわかったよ。 

 この前ね、日本からファンレターが来たんだ。50歳くらいのおじさんからなんだけどね。
 その人、リストラで会社をやめることになって。最後の日に大きな花束もらって拍手されたんだって。30年働いて初めて花束もらったって。で、「武志君は幸せだね、舞台のたびにいっぱい花束と拍手もらえて」って書いてあって。それ読んだらなんか涙出た。

 日本にいた時のオレは、みんなにほめられるが当たり前っていうか。「すごいね」ばっか言われるとウザくて、「ホントの自分はダメなヤツなのに」とか思ってたけど。

 今のオレは、ダンスはビリに近くて、ダンス以外もあいかわらずナンもできなくて。
 そしたら、自分のことダメって言えなくなった。マジでダメなヤツは「オレはダメだ」なんて言えないんだよね。だって、口に出したとたん本当にダメになっちゃって、そこからはい上がれなくなりそうだから。

 それと、人のことを「すごい」って言える人もすごいんだってわかったよ。
 ここにはすごいヤツがいっぱいいるけど、オレはその人たちに、すごいねって言えないの。くやしくて胸がはりさけそうになるから。なんか、言えない言葉が増えちゃった。

 あ、こんなコトばっか書くと、メチャメチャ落ちこんでるって思われるかもしんないけど。そういうワケじゃないから安心して!
 オレ、基本的に負けずぎらいだから。「今に見てろ」って感じ?

 でも、ヘコんだときはスミレちゃんのオムライスが食べたいな。スミレちゃんにシャンプーしてもらいたいし、スミレちゃんに抱きしめてほしいし、スミレちゃんに、

 』


 隣の部屋から、電話を終えたモモが戻ってきた。

「ねえねえ聞いてよ、清水がね…えっ? うっそ、スミレちゃん、泣いてんの!?」
「だって、モモが、モモが、がんばってて…」
「スミレちゃんだって、いっつもがんばってるじゃん」

 スミレの前にひざまづいて、涙をふいてあげるモモ。

「ちょこっとクサめに書いたけど、まさか泣くなんて」
「…この手紙、少し直したら記事に使えるよ…」

 モモは思わず吹き出して、

「泣きながら仕事すんなよ。えっ、待って、これ載せちゃうの!?」
「モモ、手紙、途中で終わってるけど、この続きは?」
「続き?」
「うん」
「続きは…ね……」

 と言いながら、スミレに顔を近づけてキスするモモ。

 懐かしいモノにめぐり会ったように、見つめ合う二人。

 もう一度、今度は長いキス……。


__ 朝 寝室 __

 裸で毛布にくるまって、スースー寝息をたてるモモ。
 なにか楽しい夢でも見ているような顔。

「…ん…スミレちゃん…」

 モモは目をつぶったまま、かたわらに手をのばし、ひきよせて、抱きしめた……枕を。
 次の瞬間、なにかイヤなことを思い出したように、眉をくもらせるモモ。
 ガバッと飛び起きる。

 隣りにスミレがいない。

 あわてて寝室から出て、スミレを探すモモ。
 リビング、玄関、バスルーム…。

 どこにもスミレがいない。 

ちくしょーまた逃げられた…

 大きなため息をついて、頭をクシャクシャッとかくモモ。

 ふと顔をあげると、バスルームの鏡の前に、なにやらいろいろ置いてある。
 近寄ってみるモモ。

 ボーダフォンの最新型ケータイ。
 スミレという文字が書いてある歯ブラシ。
 そして、いつかモモがスミレにプレゼントしたシャンプー回数券

 シャンプー券にクリップでとめてあるメモ用紙を手にとるモモ。
 メモにはこう書いてある。

『今度来たとき使うからとっておいて  スミレ』

「…今度っていつだよ」

 と言いながらも、ちょっとうれしそうなモモ。

 寝室の目覚まし時計が鳴って、あわてて止めに行く。

「やばっ、レッスン始まっちゃう」

 支度をして部屋を出るモモ。

 空港へ向かうスミレ。(・2)

「もしもし巌谷です。インタビューとれました。それから来月の休暇の件ですが…」

 ケータイをかけながら、足早に歩くスミレ。

 通りへ駆け出すモモ。

 微笑んでいる二人の横顔……。


(完)



(・1)応接室 モモが手紙を書いた部屋と、その部屋の前にある階段は、横浜にある新聞博物館の旧貴賓室と中央階段をイメージしています。

(・2)空港へ向かうスミレ スミレが歩く場所は、横浜馬車道の歴史博物館前あたりをイメージしております。わざわざロケ地を書いたのは、こういう場所ならにせドイツロケをしてもオッケーってことを言いたかったからでございます(笑)。


「あとがき」

 さて、「きみぺ外伝」。楽しんでいただけたでしょうか?

 この外伝には「もしもドイツへ行ったなら」というサブタイトルがついていますが。

 もしもドイツへ行ったなら…モモは苦労して一皮むけたいい男になり、
 もしもドイツへ行ったなら…スミレも少しは自分の頭で考えて行動できる人になり、
 もちろん、二人は恋愛モードに入るってことで、
 だからこそ、蓮實もモモと恋のライバルとして対決して大人の男ぶりを見せられたのです。

 いいことづくめです(笑)。

 だけど、きみぺ本編では、なぜ二人を恋愛モードにしなかったのでしょう?
 本編の最終回で一番がっかりしたのは、最後の夜を共にした翌朝のスミレのセリフ。

「勢いだった」「するべきじゃなかった」

 あんなにせつないキスをしたあとの出来事について、こういう感想はどうなんですかい? 女性には誰でも、初めての人との初めてのエッチは素晴らしいものであってほしいという願望があるんです。それを、こんな殺伐とした言葉で台無しにしちゃーいけませんって。

 これらのセリフは、スミレとモモが恋愛にはならないというラストにするために、こうするしかなかったんでしょうけど。でも、なんで二人がくっついちゃダメなのさ?(笑) 

 もしも、恋人にならずにペットにしておくことがお伽話だと言うのなら、それはお伽話のはき違え。そもそも恋愛ドラマはお伽話のようなものなのだから、昨日までペットだと思ってた男の子を好きになるほうが、ずっとリアルでステキなお伽話じゃないですか。ね?


 てなわけで、「きみぺ外伝」へのご意見、ご感想、ご質問がありましたら、BBSまたはメールにてどうぞ。



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